ふかさわくん【紫】

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体育祭が始まり、大盛り上がりで時間が過ぎていく。

二人三脚のときにサラちゃんと二人で順番を待っていると、まだ走ってもないし味方でもないのにジェシーくんとしんちゃんの声援が聞こえてきて恥ずかしかった。

それにゴールテープ係がまさかのしょっぴーで、走ってるときにめちゃくちゃ大きい声で叫んでるし、トップでゴールしたら「やるじゃーん！」って一番テンション上がってたし。


ガヤがうるさいんだわ。嬉しいんだけどね。




二人三脚が終わったところで、午前の出場競技は終わったからテントでひと段落。

委員会でやらなきゃいけない仕事も午後にしかないからゆっくりできる。


でも、そんな時間もあの小さな悪魔によって奪われてしまう。



「なんでハルいないわけ！？」

「ハルは委員会で忙しいって何回も言ってるじゃん」




うちのクラスのテントに来て駄々をこねるやっすー。

ほんとうるさいったらありゃしない。

まあ、そんなやっすーを煽るように朝撮ったハルの写真を見せたわたしが悪いんだけど。



「つーか俺帰っていい？」



うるさい悪魔のとなりでなぜか連行されてきた照くんが心底嫌そうな顔。



「ダメだよいわもっちゃん！いわもっちゃんが帰ったら見つかったとき怒られんの俺だけになるじゃん」

「いやなんで俺に巻き添い食らわすんだよ」

「ドンマイ照くん」




ということで照くんはやっすーに捕まって深いため息。

照くんは深澤くんとしょっぴーに会いにきたらしいんだけど運悪くいなくて、居心地が悪そう。


三人仲良く、テントの下でしゃべっていると深澤くんとしょっぴーが帰ってきた。




「あれなんで安井いんの」

「ハルに会いにきたんだよ」

「あー、ハルな。ハルだったらまだ忙しそうだったよ」

「マジかよぉ……」




ずーん、と効果音でもつきそうなほど落ち込むやっすー。

やっすーもなかなか五歳児だな。

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