ふかさわくん【紫】

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定期テストが一週間後に迫り、自習の時間が多くなる。

とんとん、と後ろから肩を叩かれ振り返ると顔の前で両手をぱちんと合わせたしょっぴー。




「A現文のノート貸して！」

「いや」

「ほんとお願いします。まじで何でもする」

「仕方ないなぁ」




ほとんどの授業を寝て過ごしているせいで、溜まりに溜まったノートを次から次へと写していくしょっぴー。

なんで後悔するって分かってるのに寝るかな。




「やべぇ腕がしぬ」

「寝なきゃいいじゃん」

「自然と閉じてくんだよね」

「もうそれやばくない？」




しょっぴーにノートを貸して、また自分の机に向き直る。

またしばらく集中していると、ふと後ろから小さな寝息が聞こえてくることに気づく。


こっそり後ろの様子を盗み見ると完全に寝ているしょっぴー。


あーあ、これまた後でパニックパニックって騒ぐパターンだな。

案の定、授業終了のチャイムで目覚めたしょっぴーは「やばい、パニック！」と騒いでいた。



あっという間にテスト当日になって、珍しく早い時間に教室に来ているしょっぴー。

わたしを見つけるなり、しょっぴーがガシッとわたしの肩を掴んだ。




「まじでやばい、昨日寝ちゃった」

「と言うことは…？」

「問題に出そうなところ教えてください」





テスト後にアイスを奢ってもらうのを約束に、直前までしょっぴーにポイントを教えていると樹くんのズルイって声が飛んできたけどそんなの気にしてられない。


わたしの勉強にもなるからその時間はむしろ好都合で、テスト中は思ったよりすらすら問題が解けてほっとした。

しょっぴーは「ヤバいギリギリすぎる。なんならアウトかも」って頭を抱えてたけど。

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