ふかさわくん【紫】

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そこからみんなでぶらぶら歩いてるとゲーセンが目に入った男子組は楽しそうに駆け込んでいく。

わたしもハルとやっすーとゆっくり追いかけていくとUFOキャッチャーに白熱するみんなを見つけた。





「しょっぴー下手くそすぎん？」

「いや、ちょっと待ってよ。こんなん取れるわけねえじゃん」

「師匠これいけそ？」

「んー…二回ありゃいけると思うけど」

「じゃあ師匠いっちゃってください！金は渡辺が出すんで！」

「なんでだよ！」




お目当てはしょっぴーに似たキャラクターのぬいぐるみらしく、みんなに背中を押されて前にきた深澤くん。




「深澤くんって得意なの？」

「あ、Aちゃん初見か。見といた方がいいよ、ふっかの神技」





やっすーがなぜかドヤ顔でそう言うから気になって台に近づくと、深澤くんが操作するアームはいとも簡単にぬいぐるみをつかんで穴に落ちていった。





「え…すごい、」

「すげー！マジで二回でとれてんじゃん！」

「さすがっすねぇ師匠！よっ！」





まさかの深澤くんの一面に驚いているわたしにまたもやドヤ顔のやっすーが近づいてきた。




「ね？すごいっしょふっか」

「あんな簡単にとっちゃう人初めて見た。すごいね？」

「それふっかに言ってあげな」




やっすーにそう言われたけどみんなに囲まれている深澤くんにわざわざ声をかけるとかできなくて、結局ハルとやっすーのとこに居座ったまま。





「Aちゃんってヘタレだよね」

「ねえハル。やっすーのこと殴っていい？」

「えー、骨折れちゃうんですけどぉー」

「やっすーほんとうざい」




やっすーが茶化してくるせいでなんか余計に深澤くんに声をかけづらくなって、やっすーを睨む。

ヘラヘラ笑うやっすーにハルがコラって怒ってくれてるけど、なんだかんだやっすーに弱いハル。


なんかこの二人の邪魔しちゃってるよね、わたし。


今さらながらそんなことに気づいたわたしは、こっそり二人から離れてUFOキャッチャーがたくさん並ぶエリアをぐるぐる歩いた。

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