ハチミツトースト two

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遠くに駅に向かう翔くんの背中が見えて

　

これ以上走るのは辛かったけど、そんな想いとは別に足が動いた


　


　


勢いよくつかんだ彼の腕と


振り返った時の目。


　
　


　


想いを伝える


勇気が


どんどん小さくなる


　


　


　


　


　


　


　


　


　


　


　


　

　


　

翔「Aちゃん、どうしたの？」

　


最初に口を開いたのは翔くんだった


　


あ「…ごめんね。いきなり…」


　
　

翔「いや、大丈夫…」


　


　


また生まれる沈黙に


胸が苦しくなった


　


　


　


翔「…Aちゃんさ、これから、帰るの？」


あ「えっ…うん…」


　

本当は違うのに

うん


なんて言っちゃって


　


言ってから

突き放されるんじゃないか

って怖くなってる


　


　


　


翔「じゃあ、一緒に…帰ろ………？」


　


思いがけない言葉への驚きと、一緒に帰る嬉しさとが混ざり合って

　

あ「うん」


　


　

　


全身が緩む感じが自分でも分かって


ちょっと恥ずかしくなった


　


　

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