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目「ねぇ、康二。もういい?」
『あかん!めめ、待って!緊張する!!』
目「それ何回目?」
ダンス部が練習しているらしいフロアの扉を開けようとするめめを静止して、緊張をほぐそうと深呼吸をする。
あまりにもレベル違いやったら?足を引っ張ったら?馴染めなかったら?
そんなマイナス思考に陥ってぐるぐると考えていたら、めめは俺の静止を無視して元気よく扉を開けた。
目「お疲れ様っす。連れてきました〜」
向「あっ、めめ!ちょ、待って!」
そこにいた人達はキラキラと輝いて見えて、やっぱり足がすくんで、めめに引きずられるように輪の中に飛び込んだ。
佐「おっ、康二じゃん!お昼ぶり〜。紹介するよ!」
相変わらず底抜けに明るい佐久間くんが残りのメンバーを紹介してくれて、みんな明るくて優しくて打ち解けるのに時間はいらんかった。
あんまり堅苦しい感じではなくて、ルールは簡単に「"先輩"なんて仰々しく呼ばないこと」と「敬語は使わないこと」の2つだけ。
向「めめも先輩にタメ口なん?」
目「壁があるといい作品が出来ないから、一体感を出すためらしい」
向「なるほどなぁ〜。家族みたいなもんやな!」
プロ意識というか、まぁプロではないけど、ひとつの作品を完成させるための意識に感動して、少しでもはやく仲間だと認めてもらって、作品の一部になろうと心に決めた。
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作者名:夕凪 | 作成日時:2020年5月21日 7時