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テストも無事に終わり、今日は約束の日。
買ったばかりの真新しい自転車に乗って、Aちゃんの家の近くの河川敷まで風を切って走る。
『康二くん、お待たせ』
向「あ、Aちゃん!やっぱ今日も可愛いわ」
『もう、やめてよ(笑)』
初めて見るAちゃんの私服はちょっとスポーティで、だけど女の子らしくて、言い方がアレやけど、めちゃくちゃ好みやった。
もう、ここまでくると、こういう些細なことでもグッと心を持っていかれる。
『ほら、結果見るんでしょ?』
向「せやね。ちゃんとパソコン持ってきたで」
『ありがと、楽しみだね!』
約束通りパソコンを持ってきて、手持ちのWi-Fiに繋げた。
どこかの図書館とか公民館に行けばよかったかもしれへんけど、なんとなく2人で見たくて。だけど、こんな河川敷は女の子にとってはイマイチやったかも、と今更不安になってきた。
『あ、ちょっと待ってね』
向「え、用意周到やな!」
Aちゃんが鞄から持ち出したのは小さめのレジャーシートと缶コーヒーが2つ。こんなに気が効くことも、苦しいくらい俺をキュンとさせる。
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作者名:夕凪 | 作成日時:2020年5月21日 7時