キミとオレンジの世界【橙】 (ページ29)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:18,776 hit

29 ページ29

.

『じゃぁ、13時に河川敷近くのコンビニ前ね！』

向「休み中の楽しみができたわ！」

『お休みの日に康二くんに会うの、ちょっと緊張するかも…』

向「なんで～？学校で会うのと同じやん！制服着てへんだけよ？」

『そうなんだけど…』

本当はわかっとる、と思う。俺かて緊張してるし。

お洒落しやな、とか。髪型も普段と変えた方がええかな、とか。いろいろ考えてまうもんね。

向「Aちゃんの私服楽しみやなぁ～。きっとどんなん着ても似合うと思うよ！」

『ほらー。そうやってハードルが上がってく…』

向「ごめんごめん。普段通りで全然よ！」

でもこの緊張は、俺がAちゃんのことが好きやからで。それならAちゃんが緊張すんのも、俺と一緒やったらいいなぁ、と思ってしまう。

先生「ほら、先につけ～。次の科目はじめるぞ」

そんな先生の一言で俺は出席番号順に並び替えられた自分の席に戻って、少し離れたところからAちゃんの背中を見つめるけど、当然答えはわからない。

心の中がカンニングできたらいいのに。

.