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渡「それ、は…」
実際はほんの数秒でも、やけに長く苦しい沈黙ののちに、彼が発した言葉はあまりにも歯切れが悪くて。
私はもう潮時なのだと悟った。
『もう、帰ってください』
渡「ごめん、でも！」
『これ以上は、本当に困らせるだけだから！』
渡「もう、俺のこと、嫌い…？」
言われるがままに帰り支度をする彼は、幾度となく期待しては勝手に裏切られたような気にさせてきた、そんな切なげな瞳をこちらに向けて問いかける。
『私たち、何も変わらないじゃない…』
渡「もう、俺はいらない？」
『いまでも、いままでも、きっとこれからも好きだけど。でも、もう心が追いつかないよ…』
渡「そう、だよな。たくさん傷つけて、本当にごめん」
優しく私の頭を撫でて去っていく背中は、涙で滲んで見送ることは出来なかった。
そして、扉は冷たい音を立てて私と彼の世界を隔てた。
最後まで嘘でも好きだとは言わなかった彼は、きっとどこまでも誠実で、どこまでも不器用で。
そう思ってしまう私も、どこまでもばかで。
修復できない小さな綻びが積み重なり、あまりにも脆い関係は崩れ去る。
私は、私の言葉で、最愛の人にサヨナラを告げた。
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夕凪(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！綺麗に完結できるよう頑張ります！ (2020年5月16日 8時) (
レス) id: cdd597421f (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごく切ないです（ ; ; ）ハッピーエンド期待しております！ (2020年5月16日 1時) (レス) id: b6de7731d0 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！ドキドキしていただけて、とても嬉しいです！ (2020年5月10日 11時) (レス) id: cdd597421f (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - こうゆう男性ってリアルにいますし、更に渡辺くんなのでかなりドキドキしてしまいました(^^)更新楽しみにしてます！！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: b6de7731d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2020年4月24日 19時
