[ハイキュー]君に溺れる夏 (ページ21)

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届けた方がいいの?

いいよね?

だって今部活中でしょ?

無かったら困っちゃうよね?

そう思った私は

またしても廊下を全力で駆け抜けて

体育館を目指した

＿＿キュッキュ

＿＿バンッ!

＿＿ズバンっ!

少し隙間の空いた体育館の扉

そこから聞こえてくるバレーボールの音、シューズの擦れる音

私は扉の隙間から少しだけ顔を覗かせた

すると、ちょうど扉の近くに座っていた金髪の...

プリン頭の男の子がこちらをギョッとした顔で見つめてきた

「あっ...わ、ご、ごめんなひゃいぃぃぃい....」

「え、いや...こ、こっちこそゴメン...」

片手にドリンクらしきものを持つプリン君は、

ひょこっと頭を下げ、目をそらした

私も軽く頭を下げ、お目当ての黒尾くんを目だけで探してみる

どこにいる...?

一人で慌てていると、横から声が聞こえた

「...それ、クロの...?」

クロ....

クロ、クロ?

誰だろうと思いながらも、このプリン君が黒尾くんに届けてくれるかもと思い、

頷いた

「あ、そうそうクロのっ!く...クロ君に、渡しておいてくれるかな....?」

私が控えめに聞くと

プリン君はめちゃくちゃ薄く笑い、頷いた

「じゃあ....お願いします....」

「分かった、」

プリン君が受け取ったのを確認して、扉に向かう

「あ、じゃあ私はこれで＿＿」

「待って」

「へっ！？な、何でしょうか!」

私の腕を掴んでこちらを見るプリン君

すると、控えめに目をそらし、

「な.....名前...聞いていい....?」

「ヒェッ、な、名前ですか?」

「うん....」

「勿論良いですよ、私は三年五組の"瀬波A"です。宜しくお願いします」

「....セナミ....?」

「はいっ!瀬波ですっ!」

「.....俺、孤爪研磨、宜しく....」

「けけけ、研磨.....!?」

研磨って、黒尾くんが言ってたあの、研磨!?

い、え、いやあ、まさかほんとに今日あっちゃうとは、

見てみたいとか言ってたけど、

「....俺のこと、知ってるの....?」

「あっ、い、いいえ!ちょこーっと黒尾くんって人から聞いてました」

「あー....クロね」

「く、くくクロって....」

「ん、クロは黒尾鉄郎の事だよ。昔からそう呼んでる」

や、そそそうなの.....