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( side A
『いや、最近感じる違和感が多いんよ』
「え〜例えばなんなん」
『最近めっちゃ連絡が頻繁にくる。付き合う前のあの少なさ知ってるやろ？』
「いやそんなんで疑うか？」
『あと、なんか節約してるっぽい。でもお金ないわけないやん？絶対デートとかプレゼントとかで散財してる』
「Aに内緒でなんか高いもの買っただけちゃう？それか酒の飲み過ぎか」
『極めつけは、急にやたらと可愛いとか言うようにになったんよ』
「……え、お前惚気けてきてる？」
『相談してるんやん！』
「いやぁ、ないと思うけどな」
『こんなん浮気してる男がとる行動パターンにバッチリ当てはまるんやで？』
ちゃうと思うけどなぁ、と頭を掻きながら盛山は言う
リリーの相方で、私たちが付き合っていることを知っている数少ない中の一人だから
じゃあ勘違いだろうか、と心が揺れてしまう
「あ、そうや」
ちょいちょいと手招きされて近づけば
少し屈んで耳に顔を近づけてくる
『え、なに』
「いやこれ言っていいんか分からんのやけどさ、」
『……うん』
「リリーが前言ってたねん、」
うわ、
ぐらっと身体が後ろ向きに引っ張られる
なに、もう、今いいところ
「何、相方の女と堂々といちゃついてるん」
『なんで、』
「いや、リリーこれはちゃうくて、」
お前もやからな、とちらっと睨まれたあと
腕をぐいぐい引っ張られて、そのままついて行くしかなくなる
すれ違いざまに盛山に手を合わせられたから
こっちもごめん、と口パクで伝える
ちょっぴりこの状況が嬉しいのは間違いないけど
さっきの話の続きが気になって、
強引なこの浮気(仮)の恋人を恨めしく思う気持ちでいっぱいだ
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作者名：そら | 作成日時：2021年4月28日 21時
