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( side A
なにこれ、なんて声かけるのが正解？
一定の距離を取りつつも、離れないようにその背中を見つめ歩き続ける
はぁ、怒ってはるんかなぁ
少なくとも変に後ろめたくて隠してた訳では無いからちゃんと弁明はしたいけど、
なんていえばいいの…
"別に好きやないんです"
"恋愛的な意味はないので、前みたいに接してください"
"勝手に好きなタイプに挙げてごめんなさい"
…どれも違う気がする
「なぁ、」
『はい！』
「なんで俺って書いてたん」
『あー…それは、』
「それはさ、ちょっとは俺を意識してくれてるって思っていい？」
『…えっと、何の話ですか？』
「やから！Aちゃんが、芸人の先輩ってだけじゃなくて、少しは男として見てくれてるって受けとんで？って」
『あ、でも、私ゆずるさんのこと好きって訳では無いので安心して欲しいというか…』
「わかっとるわ、というかなんやねん安心して欲しいて…」
『…………ゆずるさん、怒ってます？』
え、絶対怒ってますよね？
と口にしながらゆずるさんと目を合わせようとするものの、全て逸らされ、ゆずるさんの手で私の視界が覆われる始末
「近いて、というかじっとしてくれ…」
『だってゆずるさん、なんか怒ってますやん…』
「なんかって分かるやろ…なんとなく」
『…もう、そんなに嫌だったなら、謝りますからちゃんと言うてくださいよ！』
「それは、ちゃうやんか…」
『じゃあ何があかんのですか』
「やから…俺はAちゃんのことが好きやねん」
え？ 今、ゆずるさん、なんて
「あーもう、こんなタイミングで言うつもりじゃなかったのに」
『……ちょっと、全然まだ…』
「もっと仲良くなってからって思ってたけど、しゃあないやん…Aちゃんが好きなタイプに俺って書いてるし」
どうしよう、胸がばくばくして
ありえへんくらい鼓動が早くなってるのがわかる
『あ、でも…返事、』
「あかんあかん、まだせんといて。これから好きになってもらうんやから」
『へ？』
「ん〜まず今日夜飯、いこ。空いてるやろ」
『あいてはいますけど…』
「じゃあ、決まりやな」
そういってゆずるさんがニカッと笑う
そんなの何回も見てるのに
何故か特別にみえる
不思議と胸のときめきがやまない
意識してしまえばもう、
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作者名：そら | 作成日時：2021年4月28日 21時
