スノさんちのクーデレマネは距離を計り兼ねてます。

事件は現場で起きている！？3/3 ページ7

目黒:side


「嘘、あれって北村君じゃない！？」


カットが掛かり、共演者の皆と次のシーン
の相談をしていると誰かが興奮気味に声を
上げた。

皆の視線を辿ると確かに北村君が居た。
…しかもAさんの隣に。


目「………………。」


いや、今はお芝居に集中しないと。

そう思うも、皆の会話が頭に入ってこない。

ちらりと二人の様子を伺うと何故か顔を
赤くしているAさんに、俺は引き留
める皆の声を振り切り、彼女の元へと
足早に向かった。


『…っ…可愛い///』


目「…誰が可愛いって？」


Aさんを困らせたくて、後ろから
彼女を抱き締める。

ちょ、目黒さん！？

回りの目を気にして、慌てて引き
剥がそうとするAさん。


目「北村君に何言われたの？」

『いや、別に大した事じゃ…』

目「へぇ…大した話じゃないのに
顔赤くするんだ？Aさんは」

『っ！…すみません…』

俺以外の男に顔を赤くするAさんに
胸に何とも言えないモヤモヤが渦巻く。

子供染みた真似だとは分かっていても
つい、揚げ足を取ってしまう俺を
Aさんは何とか宥めようとする。

目「…き…って…い…」

『え？』

目「…今だけでも良いから、俺が
一番好きだって言って…」

『…………///』

正面から抱き直し、お願い、と
顔を覗き込む。
瞳を揺らし、迷うAさんは
俺にしか聞こえない程の小さな声で
呟いた。

『蓮君が一番好き///』

「…っ…ん、有難う…。
意地悪しちゃって、ごめんね///」

照れながらもハッキリと言葉に
してくれたAさんに思い切り
抱き締めたい衝動に駆られるけど、
どうにか我慢して俺は共演者の皆の
元へと戻る。


＊＊＊
A:side


木「相変わらず、モテんなお前(笑)」

『…義眼のコンタクトしたまま見詰め
ないで下さい、地味に不気味です。』

木「しかも、相変わらず可愛げねぇし。」

やっと目黒さんを共演者の元へ返したかと
思うと、今度は木村さんが此方に来た。

『可愛いと思われたいのは
９人だけなので』

木「何で、それをアイツ等に
言ってやんねぇの」

『只でさえ崩壊している距離感が
更に崩壊します。』

木「あぁー…」

『納得しないで下さいよ、
洒落になりません』


ま、頑張れ？
木村さんは笑いながら私の頭を、
わしゃわしゃと撫でる。

瞬間、何処からか視線を感じる。

思わず振り返ると、此方に向かって
来る目黒さんが…。


訂正、事件は現場ではなく
私の回りで起きていた！？

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