スノさんちのクーデレマネは距離を計り兼ねてます。

佐久間/こんなラノベ展開は要らないの！3/3 ページ15

佐久間:side


「…ごめん、フィギュアが
失くなったって、嘘なんだよね…」

『……え？』

俺の言葉に、何でそんな嘘…。
と、眉を寄せるAちゃんに俺は
自嘲気味に笑う。

佐「北村君とお隣同士だって聞いて…
北村君に取られたくなくて、勝手に嫉妬して
一人で不安になってた…馬鹿だよね、俺」

『…佐久間さ……大介、こっちおいで？』

佐「…っ！？……ん…」


Aちゃんはソファーに座ると、
隣をポンポンと軽く叩く。
俺はAちゃんが、態々下の名前で
呼び直してくれたのが嬉しくて、足早に
ソファーに近付く。

『大介、よく聞いて？』

佐「…うん」

『私が好きなのは大介と、
メンバーの皆だけだから』

佐「Aちゃん…」

強張る俺の頬を優しく撫でながら
俺を真っ直ぐ見詰めて、ハッキリと
伝えてくれるAちゃん。

『今日、匠海君の家に居たのは、
彼の代わりにパソコンの設定を
してあげてたの』

佐「…パ、ソコン？」

そう、パソコン。
新しく買ったのは良いけど、設定が
分からなかったらしいの。
で、私が代わりにやってあげたって訳。

佐「…な、なんだ〜…パソコンかぁ
…あ、でも、北村君と二人きりは嫌かも」

安堵した俺は甘える様に
Aちゃんに抱き付き、不貞腐れる。

『それを言ったら、常に私以外の嫁と一緒に
居る大介は、どうなるのかしら？』

そんな俺の頭を撫でていたAちゃんは
目を細め、不貞腐れ膨らんだ俺の頬を
両手で包むとムニュッと押し潰す。

佐「むぅ〜…それは言わないでよぉ」

３次元ではAちゃんだけだもん！
そう開き直る俺にAちゃんはニッコリ笑う。

『……へぇ。じゃあ、私が２次元で
旦那さんを作っても良いんだ？』

佐「……え？」

『２次元の旦那さんに、愛を囁いても？』

佐「……くっ」

『…等身大の抱き枕で一緒にベッドで寝て…』

佐「すいませんでしたぁあ！！」

思わず抱き枕(イケメン)が、服が乱れて
霰もない姿のAちゃんを押し倒している
のを想像し、俺はソファーの上で土下座する。
↑※飽くまで抱き枕です。

『ふふ、冗談ですよ』

土下座する俺の頭を笑いながら
ワシャワシャと撫でるAちゃんに
俺はもっと甘えたくなる。


佐「…今日、泊まっちゃ…」

『駄目に決まってんでしょーが』


くそぅっ！
こういう時こそ、ラノベ展開だろ！？
ラノベ展開、頂戴！


泣く泣く帰った俺は次の日、
ちゃんと昨日の１件をメンバーに
報告した。

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