スノさんちのクーデレマネは距離を計り兼ねてます。

好きと言う名の免罪符1/2 ページ24

A:side

コンコン。

「どうぞ」

『失礼致します』

滅多に呼ばれる事の無い部屋に呼ばれ、
私は緊張しながら恐る恐るドアを開ける。

『…お呼びでしょうか、滝沢副社長』

滝「こら、そんな緊張しないの。
俺が苛めてるみたいじゃん(笑)」

…まぁ、今からちょっと、意地悪する事に
なっちゃうけどさ。

くしゃりと笑う滝沢さんに釣られて笑いそう
になった瞬間、ボソっと呟いた滝沢さんの
言葉に笑みがピシリと固まる。


『…私はどんな失態をしたのでしょうか…』

滝「ん〜…ミスというか…。
まぁ、アイツ等も居るし、何か有るとは
思って無いんだけどさ？一応ね。」

『…………？』

言われている事に覚えが無く、首を傾げる
私の目の前に雑誌を置いた。



[地味な姿は仮初めの姿！？
ジャニーズ敏腕マネ、若手俳優Kを
堂々お持ち帰り！！]



『………は？』



これ、どう見ても私と匠海君だよね？

っていうか、少し調べれば同じマンションに
住んでる事くらい、分かるよね？

え、何なの？そんなに話題性が欲しい訳？

それ以前に私、一応一般人なんですけど！？

なんで、ガッツリ顔写ってんのよ！？

…許すまじ、週刊誌！！

ろくに事実確認もしないタチの悪い
フェイクニュースに、思わず雑誌を
グシャリと握り締める。

滝「一応、ウチからは住んでるマンションが
一緒なだけで、何の関係も無いって説明文出す
けど、それで構わないよね？」


『…ご迷惑をお掛けして申し訳ございません』

滝「落ち込まない、落ち込まない(笑)
あ、後、この記事明後日の雑誌に載るらしい」


だから、スノーマンの皆に
先に言っておいてね？
いくらガセネタだって分かってても、
後で知ったら怒るだろうからさ(笑)



…まさか滝沢さんのこの言葉が
フラグになるとは、この時の私は
少しも思わなかった。

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