ぼっちさんの正体、その４ ページ26
向:side
向「…っ…ん…？」
嗅いだ事有る特有の薬品の匂いに
深く沈んでいた俺の意識はゆっくりと
浮上した。
俺は多分、ベッドに寝かされ
てんのと思う。
眩しさに横を向くと、隣には
静かに寝息を立てる めめが居た。
「っ！！めめ！傷は！？」
ガバッ！と勢い良く起きて、めめの傷を
確認する。
目「……んっ…こ、うじ…？」
俺が余程煩かったのか、めめも意識を
取り戻す。
あれだけ深かった、めめの傷は
綺麗さっぱり無くなっていた。
『あ、目覚めました？』
目・向「「っ！？」」
突然の第三者の声に俺とめめは
声もなく振り返る。
そこには会った事は無い筈なのに
何処か見覚えの有る女の子が居た。
…誰やっけ？
目「…AA…？」
『っ！？貴方、私の事知ってるの？』
目「…いや、ニュースで見た。
１年前から行方不明になってて
捜索を断念したって…」
向「…あ！？…そうや、ニュースの
子やんな！」
『…そっか。』
俺達の言葉に小さく溜め息を付く
Aさん。
というか、俺達………。
向「なぁ、Aさん、変な事聞くけど
ぼっちさん、知らへん？
パッと見、ジブリのカオナシみたいな？」
俺の言葉に小さく、ぼっち…。
と、呟いたAさんは口をへの字に曲げ
なんか言いたそうや。
なんや、可愛い人やな。
目「……可愛い」
って、めめも かーい！(笑)
『多分、これの事だよね？』
Aさんは、そう言うと
徐にマントを被った。
その瞬間、目の前にカオナシが…
いや、ぼっちさんが現れた。
向「…嘘ぉ〜…ぼっちさんやん…」
目「………マジか…」
俺達が驚いたのが嬉しかったのか
黒い手でグッと親指を立てた。
心なしかドヤ顔に見える。
なんや、しょっぴーが可愛い言うん
分かる気がするわ。
満足したのかパッとマントを外し
ふふん！と自信満々に元に戻る
Aさん。
やっぱ、ドヤ顔だったんや(笑)
目「…やっべ…可愛いしか出てこねぇ…」
＊＊＊＊＊
(体育館)
阿:side
時間になっても戻って来ない３人を
探しに行くかと相談していると
『アダマゴナｯ！』
っていう、単語にすらなっていない
言葉と同時に体育館の入り口が
スパーンッ！と豪快に開く。
驚く俺らを無視して入ってきた化け物が
ペイッ！と効果音が付きそうな動作で
マットレスに何かを投げる。
…ラウールだ。
化け物は放心するラウールの頭を一撫で
すると何かを呟いて帰っていった。
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twinkle*star(プロフ) - ゆきんこさん» ご感想有り難うございます！大先輩のゆきんこさんにコメント頂けてめっちゃ、テンション上がりました(笑)これからも精進致しますのでお時間が有る際は是非読んでやって下さい！ (2021年8月23日 14時) (
レス) id: a6a3301127 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - はじめまして。作品を先程見つけて一気に読ませてもらいました！とっても面白いです！こういうスリルありホラー要素ありの作品好きなんですが、なかなかないので見つける事ができて嬉しいです！これからも更新追わせて頂きますので無理せず執筆頑張ってください。 (2021年8月22日 21時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：twinkle | 作成日時：2021年8月11日 13時
