ぼっちさんの正体、その２ ページ24
A:side
『…お兄さん達、居るかな？』
２階から１階に続く階段を降りると
こっそり 廊下の角から顔を出す。
…誰もいない。
…ゾンビもいない？
お兄さん達が倒したのかな？
頭に？マークを浮かべながら
いそいそ と体育館へと向かう。
《グォオオッ！！！》
『っ！？』
体育館へ向かう途中、突然聞こえた
校舎全体を揺るがす様な何かの咆哮。
今の２階からだったよね…？
２階にはレベル２のゾンビしか居ない筈
…どうする？体育館に行くの止めて
２階を確かめる為に戻る？
進むか戻るか迷っていると
何かが転がる様に階段から
落ちて来た。
『…………え？』
ラウ「……………。」
…人間、だよね？
所々、洋服に血が付いている。
泣き腫らした頬には まだ涙の跡が
はっきりと残っていて痛々しい。
怖がられるかもと、思いつつ
放心している彼をヒョイッと抱き上げ
立たせる。
ついでにズボンの埃もペシペシ払う。
ラウ「…っ…ぼっち…さん…？ぼっちさん！！」
意識が戻って来たのかと思った瞬間
その大きな瞳からボロボロと
涙が零れる。
『…ギャギャッ！…ボボトゥベ！』
(えぇ！？泣かないで！)
オロオロする私を余所に
男の子は私に、しがみ付く。
ラウ「めめ が！康二君が死んじゃう！」
助けて！お願いだから！！
必死に助けを乞う男の子の姿に尋常では
無い事が伺える。
２階へ戻ろうと踵を返そうとして
ふと、男の子を見る。
彼は武器らしき物を恐らく所持
していない。
幾らレベル１のゾンビしか居ないって
言っても、此処に丸腰の彼を置いて
いくのは得策では無い。
『プギャッ！』
(ごめんね！)
ラウ「うわぁあっ！？」
一言謝って彼を肩に担ぎ上げると
体育館へと急ぐ。
ラウ「…ちょっ！？…ぼっちさん！
そっちじゃないの！２階なの！」
２階に行って欲しいの！
そっちじゃないんだってば！！
彼を肩に抱き上げ急いで体育館に向かう
私の頭を彼は容赦なくベシベシと叩く。
『キュッ！？グギュウッ！』
(痛い！それ地味に痛いから！)
男の子の地味な攻撃を受けながら
走り続けると体育館の入り口が
見えてきた。
見えた！体育館だ！
一気に加速すると私は体育館のドアを
スパーンｯ！！と勢い良く開いた。
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twinkle*star(プロフ) - ゆきんこさん» ご感想有り難うございます！大先輩のゆきんこさんにコメント頂けてめっちゃ、テンション上がりました(笑)これからも精進致しますのでお時間が有る際は是非読んでやって下さい！ (2021年8月23日 14時) (
レス) id: a6a3301127 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - はじめまして。作品を先程見つけて一気に読ませてもらいました！とっても面白いです！こういうスリルありホラー要素ありの作品好きなんですが、なかなかないので見つける事ができて嬉しいです！これからも更新追わせて頂きますので無理せず執筆頑張ってください。 (2021年8月22日 21時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：twinkle | 作成日時：2021年8月11日 13時
