ぼっちさんの正体 ページ23
目:side
ラウ「…っ…や…だぁ…！」
俺の言葉に顔をぐしゃぐしゃに歪め
泣きじゃくるラウールの頭を撫でる。
目「絶対、後から追い付くから」
ラウ「…ホントに…？嘘ついたら
めめ の事、嫌いになるからね！」
頭を撫でていた俺の腕を必死に
掴むラウールを見ながら俺は
ふと、予感が過る。
あぁ…もしかしたら…
これがラウールとの最後かもしれない。
いや、ラウールだけじゃない。
メンバーの皆と…。
そう思うと柄にもなく視界が滲む。
もっと…もっと…
皆と歌って、踊って
下らない事で笑って泣いて
もっと皆と居たかった。
こんな形で終わるなら
恥ずかしいがらすに、もっと皆に
感謝を伝えるべきだった。
いつも 有り難うって。
…俺を受け入れてくれて
仲間でいてくれて、有り難うって。
零れた涙をラウールに気付かれない様に
拭うと、少し乱暴にラウールの
頭を撫でる。
目「…良いか…俺の合図と同時に
階段に向かって走れ…」
ラウ「…っ…わ、かった…」
ラウールが頷くのを横目で確認すると
俺はバットを構え、深く深呼吸する。
目「今だっ！走れっ！！！」
掛け声と同時に走り出すラウール。
追い掛け様とするケルベロスへと
バットを投げ付ける。
丁度ケルベロスの目に当たったらしく
ケルベロスが振り下ろした爪は
ラウールに届く事無くラウールは
階段を降りていった。
《グォオオォッ！！！》
予想した通り、ケルベロスは１階には
降りられないらしい。
獲物を取り逃がしたのが余程悔しいのか
咆哮を上げ、邪魔した俺を睨み付ける。
向「…っ…ぐっ…ぅ…ラウールは…？」
痛みで気を失っていた康二が
ケルベロスの咆哮で目を覚ます。
目「無事に逃げれたと思う」
向「…そぉ…かぁ…よか…た…」
辛そうに呼吸を繰り返しながら
康二が安心した様に笑う。
向「……めめ…」
目「ん？」
向「めめも、はよ逃げ？」
俺、こんなんじゃ無理やし。
そう呟きながら笑う康二。
本当は、めちゃくちゃ怖いくせに。
無理して笑う康二に歪みそうになる
口元を堪え、無理矢理笑う。
目「…ふはっ…置いてく訳ねぇし」
向「…そ…かぁ…ありがとうな、めめ…」
さて、どうやって乗り切るか…。
逃げ道を探すため、ほんの僅かに
逸らした視線。
ふと、暗くなる足元。
びちゃりと、滴り落ちる血。
見上げた時には既に
奴が目の前にいた。
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twinkle*star(プロフ) - ゆきんこさん» ご感想有り難うございます！大先輩のゆきんこさんにコメント頂けてめっちゃ、テンション上がりました(笑)これからも精進致しますのでお時間が有る際は是非読んでやって下さい！ (2021年8月23日 14時) (
レス) id: a6a3301127 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - はじめまして。作品を先程見つけて一気に読ませてもらいました！とっても面白いです！こういうスリルありホラー要素ありの作品好きなんですが、なかなかないので見つける事ができて嬉しいです！これからも更新追わせて頂きますので無理せず執筆頑張ってください。 (2021年8月22日 21時) (レス) id: bf817d2202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：twinkle | 作成日時：2021年8月11日 13時
