BREAKDRIVE 3【オリジナル小説】 (ページ24)

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123話ページ24

聖side

轟音が響き渡ったかと思うと、トイレの照明が全て消え、辺りが真っ暗となる。
トイレの外からは他のお客さんの阿鼻叫喚とした声と鼓膜を突き破るような銃声音が聞こえてくるが、緊急用の電源がつき、暗闇の中を赤く淡い光が照らす頃には、トイレの外はシーンと静寂に包まれていた。

「な、なんだよ今の爆発音は……ドッキリか？」

「ドッキリにしては、随分と突発的じゃ……」

今の一瞬の騒ぎからして、これは爆発テロに違いない。
爆発の音も相当近くから聞こえたから、多分この西館のどこかで爆発が起きたんだ。
この下の1階にあるフードコートにセシル達が居たはず。
大概こういう爆破テロは人の密集度の高い場所が狙われやすいから、多分さっきの爆発音は───

最悪なイメージが頭に浮かび、ゾッと背筋が凍る。

こんな時にそんな事を考えちゃダメだ、想像したとこで自分が絶望するだけだ。
今は、この状況をどうするかだけに集中を───

すると岳斗君のズボンの尻ポケットから突如バイブ音が鳴り、その音に驚き二人同時にビクッと肩を飛び上がらせる。

「ビックリしたぁ……誰からだよ一体」

携帯を取り出すと、その画面を見るなり目を見開く。

「貴史の奴からだ！」

「えっ、貴史君から……！？」

岳斗君は焦った様子で通話を繋ぎ携帯を耳に当てる。

『岳斗！いま聖と一緒か！？』

携帯から貴史君の声が聞こえてくる。
声がするって事は、少なくとも貴史君は無事なんだろう。

「その声、貴史なんだな！あぁ、聖と今一緒にいる。お前らの方はどうなんだ、ソラ達は無事なんだろうな」

『安心しろ、俺達は全員無事だ。爆発は一階の入り口付近であったらしいから、フードコートにいたお陰で幸い爆発からは逃れられた』

「そうか……ったく、心臓に悪い事してくれるぜ」

全員無事という言葉を聞き、安心してホッと胸をなでおろす。

『けど、爆発があった後に銃を持った変な奴らが現れてな……客を含めてフードコートにいた全員、背後から銃で脅されながら中央館の方に向かってる。なぁ、これってなんかのドラマ撮影とかじゃねぇよな？冗談抜きのテロなんだよな？』

「俺もそうだと思いたいけどよ……ドラマの撮影とかにしては、あまりにも物騒じゃねぇか？」

『そ、そうだよな。とにかく、お前らも巻き込まれないように気をつけ……うわっ、な、なんだよ急に！！このっ！おいやめろ───』

電話越しから激しい物音がすると、通話はプツンと途切れてしまった。