114話 ページ15
岳斗side
「あれ? セシルちゃん、なんでブレイダースーツ着て来てるの?」
「その……私、友達と出かけたこと無いから、とりあえずいつも通りの格好で行こうかなって思って……そ、それに、この方がいざって時に戦えるかなって」
頬を赤らめながら恥ずかしそうに言うと、急に真冬に肩を掴まれ、「ひっ!?」と怯える様な声を出す。
「セシルちゃん、可愛いのに勿体無いよ!! ワンピとか女子っぽいの着た方が絶対可愛いって!!」
「か、かわっ…!?」
言われ慣れてないのか、セシルは顔を真っ赤に染め、どういう反応をすればいいのかもわからず目をグルグルとさせていた。
「よし決めた! まずは洋服を見に行こうよ!セシルちゃんにファッションの手取り足取りを教えてあげる!!」
「はっ、今でもうさぎパンツを履いてる癖に良く言う____」
「ふんっ!!」
「ぐふぉ!!」
俺の鳩尾に真冬の正拳突きがモロに入り、呻き声を上げながら腹を抑えてその場に座り込む。
「だ、大丈夫岳斗君!?」
「デリカシーなさ過ぎだろお前……」
「は……腹凹むかと思った……このゴリラめ……」
「誰がゴリラだっ!! くだらない事言ってないで早く行くよ!!」
「はいはい……」と適当に返事をして立ち上がり、ショッピングモールの方へ向かおうとするが、永也が呆然と突っ立っているのに気づく。
「おい永也、何ボーッと立ってんだ。早く行くぞ」
「………」
「おーい、聞こえてんのかー、早くしねぇと置いて行くぞ」
「……あ、うん……今いくよ」
一瞬永也の様子がおかしい様に見えたが、ショッピングモールのデカさに驚いてボーッとしてたんだろうと考え、あまり気にせずに俺達は中へと入っていった。
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