検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:3,832 hit

58話 ページ9

岳斗side


炎を消そうと必死になってる隙に、ゴミ袋から起き上がり、魔隆の懐へと入り、炎を纏ったフレアスブレイドを構える。

「じゃあな……燃え尽きろ」

魔隆の上半身をフレアスブレイドで斬ると、フレアスブレイドの炎が魔隆を包み込んで行った。

「グギャァァァァァァアアア!! グギャァァァァァァァァァァ!!!! 」

炎に体を焼かれながら、魔隆は苦しそうに叫んでいた。
炎が消えると、魔隆は黒焦げになり、地面に倒れこんで、黒い粒子となって消えていき、そこに残ったのは、炎で焦げた焼き跡だけだった。

「討伐完了っと……ん? 」

焼き焦げた場所に赤い何かが光っている事に気付き、その光っているものに手を伸ばして拾う。

「なんだこれ、小さな真珠……? 」

「園崎」

ジーっと小さな赤い真珠を見ていると、路地の入り口ら辺のとこから疾風の声が聞こえ、そちらの方向へと顔を向ける。

「おっ、疾風。あの女の子はどうなった? 」

「……直ぐにアルティネイターの医療班が来て、無事保護された」

疾風は表情を見せないように少し顔を伏せながらもそう話す。

「そっか、保護されたんなら良かったぜ」

「……園崎、なんで応援を待たなかった」

声を低くさせ、顔を伏せたまま俺の方へとゆっくりと歩いてくる。

「言ったはずだろ? あのまま待ってても、あの子は助かんねぇって」

「……死ぬかもしれなかったんだぞ」

「そんなの入った時から百も承知だっつーの。実際俺って魔隆に殺されかけた事あるし」

「……民間人にも迷惑をかけたよな」

「あー……あれは緊急事態だったからな……後であの人には謝りに行くつもりだ」

「……本来ならC級ブレイダーが討伐するはずの魔隆だったんだぞ」

「そんなの知ったこっちゃねぇ。ルール守って目の前で喰い殺されるくらいなら、ルール破って目の前の奴を助ける。それが俺の信念で、俺のやりたい事だ」

「……そうか。よくわかった、お前がどういう奴なのかが」

「おっ、ほんとか! わかってくれて良かったぜ。それじゃこれからもよろしく____」

疾風に握手を求めようと左手を出した瞬間、蒼迅丸で俺の首に斬りかかり、首に当たる寸前で刃を止める。

「……は? 」

何故刃を向けられたのかがわからず、そのまま動きが硬直してしまう。
理解が追いついてない俺の方を、疾風は顔を上げて怒りの表情で俺を睨みつけた。

「お前はやはりブレイダーに値しない。園崎岳斗、俺は決して……




お前をブレイダーとは認めない」

59話 双葉side→←57話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , 創作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤猫 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月19日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。