BREAKDRIVE 2【オリジナル小説】 (ページ36)

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85話岳斗side ページ36

岳斗side

弱点の宝石に何度も向かっていくが、その度に魔隆の拳が俺に向かってきて、一向に辿り着く事が出来ないままだった。

「ちっ、ガードが固ぇ……！！」

腕2本なら何とかなるけど、背中にもう2本腕がある。
しかもその腕がバカみたいに硬い、切っても焼いてもビクともしない。
それに、こいつの攻撃を食らったら一溜まりもない。
かと言って、避けてばっかは……

四方八方から飛んでくる3本の拳を腕を伝って飛んでかわしていくが、右腕に着地すると同時に背中の痛みが電撃のように走る。

「っ……！？」

突然の痛みに一瞬体制を崩す。その隙を見てか、右肩の拳が俺に向かって飛んできた。

「！やべっ……！！」

回避するのも間に合わず、フレアスブレイドで防御するが、硬い岩をも木っ端微塵にするような怪力とスピードで魔隆の身体から突き離され、大きな地響きと共に俺の体は地面に叩きつけられた。

「ぐっ……いってぇなぁ……！」

咄嗟の判断でフレアスブレイドで防御したお陰で、所々骨折するくらいの大ダメージで済んだ。
あのままガードせずに無防備なままだと、蚊をプチっと潰すみたいに俺の体はただの肉塊になっていたとこだった。

「くそ……あいつから食らったダメージが今になって来るなんて……」

まだ立てる力はあるが、拳をモロに食らったせいで体全身が馬鹿みたいに痛い。
魔隆も右腕を振り上げて攻撃の準備をしている。
このままだと、次に来る攻撃で俺は絶対に死ぬ。正に絶体絶命のピンチだ。

「でも……ここで力振り絞って戦うのが男ってもんなんだよ……」

フレアスブレイドを使って立ち上がり、大きく息を吐き、フレアスブレイドを構える。

「規則が何だか知らねぇけどよ……ルール従って何も助けられねぇってぐらいなら……俺は、俺自身が後悔しない為に、ルール破って１つでも多く助ける！！誰のやり方でもねぇ、俺のやり方でなぁ！！！」

魔隆は俺にトドメをさそうと、右腕をハンマーのように振り下ろして来る。
俺はその攻撃を避けずに、ただ真っ直ぐに魔隆に体を向けた。

「はぁぁぁぁぁぁっ！！！！」

攻撃が効かないとわかっていながらも、最後まで足掻こうと、拳に向かってフレアスブレイドを振ろうとした____

その瞬間、俺の背後から大きな黒い刃が放たれ、魔隆の右腕はその刃によって切り落とされた。