50話 岳斗side ページ1
岳斗side
「そんじゃ、早速お前らに仕事をしてもらおうか。最近、この辺りで女性の中心とした連続変死体事件の事は知ってるな？ 」
「テレビで話題になってる事件だよな？ 犯人の姿がわかんねぇっていう……」
「連続変死体事件、被害者はいずれも20代〜30代までの女性。現在の被害者の人数は4人。被害者は毎回、腎臓や肝臓、臓器のどこか一つを食われており、死体も所々食い散らかされ、握り潰されたかの様に腹部から腰辺りが潰されている。以上の死体の状況からして……警察は魔隆の仕業と判断をしている」
月見は淡々と被害者の遺体の状況を説明していく。
俺や真冬や聖は想像しただけでも吐き気が催してくるが、その他は慣れているのか真剣な表情で聞いていた。
よくこんな話を普通に聞けるな……やっぱブレイダーとしての経験はこいつらの方が上だから慣れてんのか？
「よくわかってんじゃねぇか。そう、今回はこの連続変死体事件の調査をお前らにやってもらいたいって訳だ」
「調査だったら警察に任せりゃ良いだろ」
「はぁ……これだから新人は。良い？ 魔隆絡みの事件はブレイダーに任せるのが決まりになってるの。警察はブレイダーみたいにリクトルを操って魔隆と戦うことは出来ない。一般市民を守るのが使命って言ってるけど、それは人間が犯罪を犯した場合だけ。魔隆相手じゃいくら警察でもどうしようもならない。だから魔隆の事に長けている私達ブレイダーに任せるの。ブレイダーなら知ってて当然の事、そんなのもわかんないの？ 」
カチューシャの女に溜息を吐かれながら呆れ顔で説明される。
「なんか言ってた気がするけど、そん時寝てたから覚えてねぇや」
「岳斗君……社会の授業でちゃんと言ってたよ……」
「とまぁ、調査っつっても現場に直行してそこから魔隆がどんな奴なのかを推測するだけだ。そうだな……事件現場は4箇所だから……2人1組でそれぞれ周ってもらうか。あ、リーダー決めんのも、チーム名決めんのも忘れんじゃねぇぞ。俺はタバコ一服してくるから、後は頼んだぜ〜」
後のことは俺達に放り投げ、手をひらひらさせながらおっさんはタバコ吸いにそこから去った。
「あのおっさん、1日に何本吸うつもりだよ……」
「とりあえず、まずは任務が先だよね。どう決めよっか……」
「近くにいる人で組んだら……？ 」
「あ、それ良いかもね。じゃあ、近くにいる人で2人1組になってくださーい！ 」
真冬の言う通りに俺達は近くにいる奴と組むことになった。
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