離れられなくて。 (ページ10)

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安「この香水はあま～い香りして、こっちはちょっと大人な匂い」

「んー、少しだけ甘くてキツ過ぎないのは？」

じゃあこれとかどう？っと言われ渡される一つの香水

嗅いでみると、私好みの匂い

「これいいね！私気に入ったよ」

安「んじゃ、頼んどこか♪ 」

んふふー、とニコニコしている彼

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あれから、章大さんは2人の時私の事をAと呼び

私は呼び捨ては恥ずかしいから章大さん、と呼ぶようにした。

幸い、歳が離れてなく敬語もなしでカップルらしく仲良くしていた。

今だって、章大さんがよく知ってる香水の話して盛り上がってる。

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するとﾌﾞｰｯﾌﾞｰｯ、と鳴る携帯の着信音

「ちょっと待ってください。」

きっと、あの人からだろう。

画面を見ると、やっぱり忠義

ここ最近毎日メールや電話がくる。

それが ″ 迷惑 ″ なんじゃない。

ただただ、なんて言ったらいいかわからなかったから。

安「どしたん？」

ひょい、と取り上げられる携帯

「え、あっ」

画面を見る章大さん。

一瞬顔をしかめ、私の代わりに電話に出る

その行動は私がここ2週間出来なかった事。

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安「もしもし .. 僕は安田章大です。」

出ていなくても少し漏れる音

それは、久しぶりに聞いた忠義の声そのもの

安「はい ...Aちゃんの許嫁ですから、もう別れてくれへん？電話とかもやめて」

この2週間で1度も聞いたことのないぐらいの低くキツい言葉

電話を切り、こちらに向く章大さん

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気がつけば、腕は腰に回されもう一つの手で顎を持ち上げられていた。

再び鳴る着信音、映し出される『忠義』の文字

「ん .. っ、」

その音をかき消すように音を立て、何度も唇を奪われる

それは、章大さんとの初めてキスだった。

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