離れられなくて。 (ページ33)

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わかりやすく警戒する錦戸くん。

鋭い目つきで忠義を見ている。

そんな錦戸くんとは裏腹に、ニコニコ手を振ってる忠義。

....能天気にもほどがある。

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錦「 ....おはよう、大倉。」

ぶっきらぼうに挨拶すると私の手を引いて大学に入ろうとする。

その後ろをとことこ忠義がついてくる。

錦「何でついてくるねん。」

大「え？だって俺も同じ教室やん。」

錦「 ......行くで。」

グッとさっきより強い力で私の手を引いてきた。

....ちょっと痛い。

そんな事をふっと思っていると、

大「亮ちゃん。ちょっと力強いんちゃう？A 、手痛そう。」

錦「え...？あ...ごめん...大丈夫？」

「え、あ、うん！大丈夫！」

少しだけど、錦戸くんは手を引く力が弱くしてくれた。

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なんで気づいたんだろう。

不思議に思って忠義の方をちらっと見てみると、ニコッと微笑んできた。

その微笑みに、不覚にもドキドキしてしまったり。

バカ、ずるいよ。

少しの間忠義を見ていると、何やら口パクで何かを伝えようとしてきた。

....なんて言ってるんだろ...？

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“ スキ ”

真っ赤になった顔がばれないように俯いた。

バカバカバカ！！錦戸くんにバレたらどうするの！！

でも、錦戸くんは相変わらず前を向いて私の手を引いてる。

多分、ばれてない。

...ジェットコースターよりスリル満点だよ。

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