はっぴーばっどえんど (ページ22)

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ーー某所、件の洞窟前ーー

二つの影があった。

『花巻さん、ここですか？』

花巻「おう。ここだ。だが、ホントに行くのか？」

『はい。この目で確かめるつもりです。』

花巻「そーか。あ、あっちとこっちだと多少流れる時間に時差があるから気を付けろよ。」

『はい。ありがとうございます。でも、今日は止めときます。
場所知りたかっただけですし。』

『花巻さん、向こうとこっちの時差ってどれくらいですか？』

花巻「んー確か五時間ぐらいだった気がする。
例えば、こっちが朝なら向こうは昼前か昼か昼過ぎかといった感じだった。」

『ありがとうございます。では、戻りましょうか。』

花巻「おう。行くときは及川にバレないように、捕まらないようにして行けよ。」

『分かってますよ。クソ川…いえ、クソウザ鰹節頭ナルシ野郎は面倒なこと極まりないですし。
岩泉さんが居てくれたらまだ制御できたのに…。』

花巻「お。じゃこっから別行動な。
及川に気を付けて帰ってこいよ。"国見"。」

国見『分かってますよ。』

此の言葉を最後に、一つ、影が薄れて消えていった。

それを見届けた10分後くらい、後に、もう一つの影が徐々に揺らぎながら消えていった。

夜陰に乗じることなどなく、堂々と。

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