・◇◇ ページ19
グッと肩を押されて信ちゃんから離れると、クルリと体が反転して、目の前には天井と信ちゃんの顔
でも、信ちゃんの目は虚ろで、どこを見ているのか、私が映っているのか、わからない
「………A」
私の名前を呟いたと思ったら、再び重なる唇
深い口づけについていくのに必死で、その後のことは、信ちゃんにただ身を委ねるだけで、あまりよく覚えていない
ただ、私の上にいる信ちゃんの頬を流れる涙を、何度も拭ったことと、眠りに落ちる寸前に呼んだのが、元カノさんの名前だったことだけは、妙に鮮明に脳に 耳に残ってる
目を開けると、カーテンの隙間から見える空は薄暗い
隣には、スヤスヤと寝息を立てる信ちゃん
その頬には、涙のアトが残ってる
ベッドの下に、散らばる自分の服を拾って身につけ、信ちゃんの服は畳んでその場に置き、寝室を後にした
『ハジメテって痛いって聞くけど、そんなことなかった』
『いつもはそんな事ないのに、“ハジメテ”の時は、彼がめっちゃ優しくて……泣いちゃった』
友達に聞いていた『ハジメテ』の話
みんな一様に“良かった”って言ってたけど、私の『ハジメテ』は……良かった…のかな？
きっと昨夜のことは、信ちゃんを苦しめる事になる思う
でも私は、ずっと望んでた事だから
どんな形でも、“ハジメテ”は信ちゃんがいいな…って思ってた
そりゃあ、ちゃんとお互いの気持ちが通じ合ってたら……なんて思ったりしたけど、例え成り行きだったとしても、信ちゃんがいいって思ってた
「ゴメンね、信ちゃん。バイバイ」
ドアのポストに鍵を滑り込ませて、マンションを出た
「……もしもし？先輩ですか？」
「……んー」
「すばる先輩、お店にいますよね？」
「ん〜」
「今から行きます」
「今から？」
「はい。、コンビニに寄って朝ごはん買ってから行きます」
「ん〜、気ぃつけてな」
すばる先輩との通話を終えて
外の空気はまだ肌寒いけれど
「ふう〜……よしっ」
新たな気持ちで、一歩足を踏み出した
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ちか(プロフ) - みっちゃんさん» みっちゃんさん、ザワッとした気分にさせてしまい、ごめんなさいm(_ _)m このパートは私の思いつきで突然入れたので、変な感じになってしまって… でも“おまけ”なので。波乱とかありません^ ^ゆる〜い気持ちでお読み下さいね^ - ^ (2018年5月17日 8時) (
レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - コメントごめんなさい。「結婚式1ヶ月前のことだった」でちょっとだけフラグというか嫌な予感がしてるんですけど、気のせいだって思うことにします……！更新頑張ってください！ (2018年5月17日 7時) (レス) id: fefcd3bc44 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - あきるさん» あきるさん、コメント有難うございます。涙 誘いましたか？v(^皿^♪) これからお話も佳境に突入。亀更新ではありますが、最後までお付き合いくださいね☆ (2018年5月1日 15時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
あきる(プロフ) - コメント失礼します！もう切なくて苦しくて(ﾉД`)泣いちゃいました。これからの２人がどうなっていくのか、楽しみにしています♪更新、頑張ってください♪ (2018年5月1日 10時) (レス) id: c11aad9bb3 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - なっかさん» なっかさん、コメント有難うございます。キュンキュン お届けできていて嬉しいです(≧∀≦)まだお話も始まったばかり。ゆっくり更新ですが最後までお付き合い下さいね、☆ (2018年4月14日 22時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちか
| 作成日時：2018年4月12日 10時
