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そして目の前のドラコを見る。
サラサラの髪から覗く、アイスグレーの美しい虹彩には心配の色。
(さっきまで眉つりあげてあんなに怒ってたのに…)
ドラコはいつもそうだ。
普段もそうだが、例え怒っていても、真緒のことを気にかけている。
それに喧嘩をしても、ドラコは必ず歩み寄ってくれる。
それは当たり前ではなくて、とても貴重なことだと、先程の話で強く感じたのだ。
ぽろぽろと涙が零れた真緒を見て、ギョッとしたドラコが怒りの声を上げた。
「なっ、やっぱり何かされたんだな？！あの貧乏教師め、許さなーー」
「違うの！」
ルーピンの部屋へ乗り込もうとするドラコのローブを握りしめて何とか留まらせて、真緒は「違う」と繰り返した。
「何が違うって言うんだ、泣くようなことをされたんだろ？」
「何もされてないし、先生を貧乏教師なんて言わないで」
真緒がそう言うと、「彼奴の身なりがなってないのは皆知ってることだ」とドラコが鼻で笑った。
「…本当に、一体何があった？」
ローブを掴む手を振りほどきもせず、ドラコは困ったように言う。
「…何もない。ドラコ、怒ってるんじゃなかったの？」
「怒ってた。けど…別に大したことじゃない、真緒が泣きべそかいて、それどころじゃないだろ」
袖で涙を拭おうとすると、「ガサツだな、ハンカチを使え」とドラコに注意され、大人しく受け取ったハンカチで涙を拭う。
ぐずぐずとしている真緒に、ドラコは心の中で溜め息をついた。
(何だってこんな状態にして返してきたんだ…)
自分もついていけばよかったとドラコはほんの少し後悔しつつ、掴まれたローブを見下ろした。
少しでも払えばすぐに振り落とせるが、そうしようとは思わなかった。
「…ドラコは、いつも私に歩み寄ってくれるね」
ぽつりと真緒が呟いて、ドラコは訳が分からずその艶々の黒髪を見下ろしていた。
すると不意に真緒がドラコを見上げ、濡れた瞳で真っ直ぐに見た。
「……私、もっとドラコのこと大切にする。言いたいことも言うね」
「え？」
にっこりして言った真緒の長い睫毛には涙の欠片がまだついていて、その真意の分からないドラコを赤面させるには充分すぎる破壊力があった。
(な…何なんだ、どういう意味だーーー…？)
fin.27
#お気に入り登録、高評価等々、ありがとうございます
#体調を崩しており、更新に波がありますが、引き続き楽しんで頂きたいです
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エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
