17-4 ページ12
「それが猫？豚かと思った」
「そっちこそ、臭い靴磨きブラシみたいじゃない」
真っ先にロンとハーマイオニーの言い争いが耳に入った。
慣れたやりとりに思わずハリーと顔を見合わせつつ、赤毛の集団の元へと歩いた。
「ジニー！久しぶり、手紙ありがとう」
「真緒も！ありがとう」
ジニーは真緒に笑いかけた後、急に固まって「久しぶり」と小さな声で言った。
ハリーはロン達の方は向かいつつ「やぁ」と声をかけて通り過ぎて行ったのだ。
ハリーに対して緊張するのは今年も変わらずのようだ。
「やあ、ジニー。初めまして」
「真緒の母のアリアナよ」
「鷹守だ、宜しくね」
「宜しくお願いします！」
人数の多いウィーズリー一家と挨拶をするのは一苦労だったが、和気藹々と父は男の子達と、母は女の子達とそれぞれ盛り上がった。
真緒がジニーと共にトイレから戻ってくると、目の前では父と双子とロンがしっかりと握手しているのが目に飛び込んだ。
苦笑いをするハリーと目が合う。
「真緒、良いところに来た」
「何？フレッド、クィディッチの話？」
「いや、君の身の安全に関わることだ」
神妙な顔つきの双子に真緒は首をかしげる。
「たった今、マルフォイがどんな奴かを教えてたのさ！」
ロンの活き活きした顔で、ろくなことを教えていないとはっきり分かってしまった。
「偉そうで」
「卑怯で」
「弱虫で」
「飛んだ勘違い野郎だ」
「勘違い？」
双子の流れるような悪口の中で、最後の一言に真緒が首をかしげると、ハリーとロンが慌てたように立ち上がる。
「ほら君が言ってた、親切を勘違いしてるってやつだよ」
「そうそう！」
慌てた二人の様子に双子がにやりと笑って目配せするのを見た。
だが一瞬で真面目な顔に変わる。
「そんなマルフォイから真緒を守る為に」
「ここに、護衛団を結成した」
双子に対して「護衛？」と口をぽかんとして聞き返した。
「え、いらないけど」
「いいや、必要だよ！」
「どうしてロンが分かるの？」
「そりゃ友達だからね！ジニーだってそう思うだろ？」
「ええ、そうね」
わいわいとする中で、真緒はふとポスターが目に入った。
シリウス・ブラック。
世間を賑わせている、殺人犯。
何かを訴えるかのように叫ぶ彼の顔をじっと見つめた。
その見開かれている瞳は、何か強い意思を宿しているように見えた。
fin.17
#アズガバン突入します。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エマ - ドラコが好きすぎます、、、これからも応援してます！ (2022年3月23日 17時) (
レス) id: 993b960046 (このIDを非表示/違反報告)
M.S(プロフ) - りの様)コメントありがとうございます！意地悪なところや不器用なところがありつつもカッコいいドラコを目指したいので嬉しいお言葉です。応援ありがとうございます、励みになります！ (2020年2月3日 0時) (レス) id: ff3e6ddaf7 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃマルフォイカッコいいです！応援してます (2020年2月2日 23時) (レス) id: 993ddb6aa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M.S | 作成日時：2020年1月16日 23時
