ほんのり甘い日常【プロセカ・短編集】 (ページ3)

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「さっきAくんが言った様に、飴玉を渡す時にはその味にも意味が込められる。だからもし学校の授業でいちご飴を作った後、それを誰かにプレゼントされたのなら、そこにはとても面白い意味があるんだよ」

むぐ……その意味、早く教えてほしいんだけど、

というかこの話、私の今の状態がまさにそれと同じ事になるのかな？

「……でもどうやら＂そう上手くはいかない＂みたいだね」

私が頭に疑問符を浮かべたままでいると、神代君は「じゃあ僕はこの辺で」と言ってせっせと居なくなってしまった。

あ、だから意味を……先程口に入れられた飴玉も、そろそろ無くなってしまいそうだった

……気になってしかたなかったので、すぐに自分で調べてみる

『……あった。えーと、飴玉を渡す事自体＂あなたが好きです＂という意味が込められ…………』

………ぇ

『さ、更にいちご味には、恋や結婚といった意味があり＂相手への強い恋愛感情＂を表し………』

と、ここで私は先程神代君が言った言葉を思い出した

＂そう上手くはいかないみたいだね＂

『……つまり、神代君はこの意味を知ってて、それで、渡した相手、つまり私がその意味を知らなかったから……ってこと？』

そして今までの流れの意味を知った瞬間、途端に顔が熱くなってきた。

じゃ、じゃあつまりこれは私への……

『は、わ、、ど、どうしよう、へ、返事した方が、、でももう帰っちゃったし、なんか顔熱いし、、、か、顔熱いってことはまさか、、』

そうして道の真ん中で両手を頬に当てわたわたと焦る私を、帰ったと見せかけていた神代君が後ろから隠れて見ていた事、委員会に来る様になったのは私に会いたかったからだという事

翌日神代君に告げられた私はまたもや赤面する事になるのだった

ーーーーー

『……まさか本当に調べてくれるなんてね。どうせならAくんの照れた顔を間近で見たかったけど、今日のところはお預けかな』

僕はそう呟いた後、ポケットからもう一つ飴を取り出す。味はりんご味。

『本当はこっちにしようと思っていたけれど、いちごの方が話の流れで気になって調べてくれるかなと思って味を変たのは正解だったかな。
……いや、でも次からは飴を渡す度に意味を調べてくれそうだから、りんごやぶどうの味の飴をプレゼントするのもありかもしれないね』

ふふふっ、と一人で笑った後、僕は今度こそ本当に帰路についた。

取り出したりんご味の飴を舐めながら。