【プロセカ】セカイのイブツ (ページ1)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:3,008 hit

はじまりページ1

．

自分には人とは違うことがふたつあった。

1つ目は別に大したことも無い。自分が天才すぎる、なんてありふれた話だ。

生まれた時からの記憶があり、1度見たものは忘れられない。所謂完全記憶能力持ち。

大抵の事はすぐ“もの“にできたし、日常生活において困ることなんてまず有り得ない。

むしろ力が有り余ってしまうぐらいだ。

…ここだけ聞くと厨二病のように聞こえてしまうが、決して自分は厨二病患者ではないと断言させてもらおう。

本当に

…閑話休題

この物語を進める上で重要になってくるのは今から話す2つ目のこと。

きっと今から話すことは人によっては「こいつやっぱ厨二病患ってるって」と、思われても仕方がないことだとおもう。

だけどこれは紛れもない事実だし、君にとっては自分自身のこととなるんだから心して聞いて。現実から目を背けるな。

自分は母の体内から出てきた瞬間、自分がこの世界のイブツであることを悟った。

本来自分はここに存在していいモノじゃないんだと。

きっと両親も何となく感じ取っていたのだろう。

周りから見れば自分たちを分け隔てなく愛してくれていたが、当事者からしてみればその僅かな違いでさえ簡単に気づけるものだ。

少し、本当に少しだけ両親は自分と距離を置くようになった。関心を持たなくなったんだ。

それがこの世界の補正だからなのか、それともただ単に幼い癖に全てを悟っている我が子が不気味だったのか、定かではない。

それでも両親との間に小さな溝ができたのは紛れもない事実だった。

段々と親からの愛情と言うものが理解できなくなりそうになった時、世界が一変したんだ。そう、片割れの手によって。

自分の片割れと両親がぎこちなくなったことに気づけないきょうだいなんてこの世に存在するのだろうか？

少なくとも我が片割れは身内の異変に気づけるとってもいい子だった。

もう何年も昔の話だから、どんな言葉をかけられたのか余り覚えていない。ただこの片割れだけは、杏だけは自分を認めてくれる。そう思えたんだ。

全てを悟っていても、まだ2桁にも満たない年頃だった自分。きっとどこかで自分を認めて欲しいと願っていたんだろう。

“白石A”というイブツがいることで杏にどんな危険が襲ってくるか分からない。
本来なら安全なルートも自分がいることで最悪に転じる可能性がある。

命が尽きるその時まで杏を守り愛し抜こう

そう感じた幼き日の思い出

．