今日:11 hit、昨日:11 hit、合計:6,927 hit
小｜中｜大
雨/ルフレ ページ8
「⋯⋯A」
しとしとと静かに振り続ける雨。
青年は曇りきった空を見上げた。
＊
錆び付いた扉が音を立てて開かれる。
青年は、眠りこける少女を見つけ息を吐いた。
「おはよ。来たよ、A」
行く手を阻む茨を切り裂きながら少女へ近付く。
「昨日は虹が出ていたよ。写真も撮ったんだ」
あいにく今は雨だけれど。
耳を済ませれば、屋根を打つ雨音が聞こえる。
二人だけの空間に響く雨音は、青年にとって非常に心地いいものだった。
「Aは聞き飽きちゃったかな。この辺りはいつも雨だから」
時間が経つにつれて雨は強くなり、次第に雷が鳴り始める。
ざーざー。ごろごろ。ざーざー。
青年は少女の手を握る。
その手はひどく冷たく、まるで捨てられた人形のようだった。
＊＊＊
お題メーカー様より『雨降りに翻る目覚め』
テーマを生かせていない。
風邪を引いた/ゼルダ組(リンク、ゼルダ、ガノンドロフ)→←前ページ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Y | 作成日時：2022年8月14日 22時
