TraumⅢ【短編集】 (ページ35)

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ひとりよりふたり、ふたりよりたくさん！/カービィページ35

※スマブラ時空ではなく星のカービィ原作世界設定。

あつあつの肉まん。
それを頬ばろうとして、カービィの動きは止まる。
どうしたんだろう。そう思って眺めていたら、彼はそれをふたつに割り片方をこちらへ差し出してきた。

「はいどーぞ！」

まさかの行動に、声を出して驚いてしまう。
へんなこえーと笑うカービィだがその手を引っ込める様子はない。

「珍しいね⋯⋯熱でもある？」
「ないよ！」

ぷんすこと言った表現が似合う怒り方をする。

「あのね、一緒に食べたいなぁ、って」

⋯⋯何かあったのだろう。ほんのすこし照れたように笑うカービィを見てそう思った。

「いいの？」
「うん！」
「じゃあいただきます」

ぱあっと表情が明るくなる。
まるで夜空のような青い瞳は、お星様みたいに輝いていた。

「ん！これおいしいね」
「でしょ〜！コックカワサキの新作、だって！」

ほう、なるほど。

「⋯⋯明日、一緒に買いに行かない？」
「うんっ！」

カービィはこくこくとすごい勢いで頷いていた。

＊＊＊

星のカービィグルメフェスの小説を読んだ勢いで書きました。
めちゃくちゃ良かったです。他のお話も読みたい⋯⋯⋯⋯