お嫁さん自慢/リンク ページ33
※スマブラというよりBotW本編後の話。
「俺のお嫁さん可愛くない！？」
は？という誰かの──それこそ、リト族のあの人みたいな──声が聞こえた気がした。
タキシードに身を包んだリンクは、突如襲いかかってきたイーガ団を掴み語り出す。
「あれ！あれが俺のお嫁さん！俺のね！！」
「はぁ？」
「可愛くない！？良いでしょーあれ俺のお嫁さんなの」
「いや何を言ってるか⋯⋯」
「かわいいでしょ？」
イーガ団のことは好きになれないが、だからといって哀れみや同情が湧かないかといえば別。
そろそろ離してやれよ、かなり苦しそうだよ。がたがた震えて可哀想だよ。
「A、こっちこっち！」
「えーっ⋯⋯その人、離してあげて。それからなら良いよ」
「わかった！」
ぽいと捨てられるように離される。
当事者であるイーガ団の彼(彼女？)は、呆然とその場に座り込みこちらを見ている。
「は？」
「⋯⋯今日の所は見逃してやる。だから早く出ていけ」
それは今日が結婚式という大切な日だからか、リンクに捕まえられ為す術なく一方的に語り続けられていたことを哀れんだからか。
ルージュさんの護衛、ビューラさんに声をかけられたイーガ団はしどろもどろに頷いて去っていく。
「A、A」
「はいはい。なんでございましょ、う⋯⋯か⋯⋯」
唇に口付けをひとつ。
「へへ」
「っ⋯⋯口紅、ついてる」
「似合ってる？」
唇の端、しっかりと紅く残るそれにため息をついて拭き取る。
リンクはどこか不満そうだが、ついたままでははしたない。
「ま、いいや。A、行こう！」
「わわ、ちょ⋯⋯！走らないで⋯⋯！！！」
──まだまだ、式は始まったばかり。
──世界を救った勇者の『
＊＊＊
BotWリンク(クリア後)って結婚式は盛大にやりそう→式の最中、突如襲いかかってきたイーガ団にお嫁さん自慢するリンク(聞かされたイーガ団員はドン引きしている)を見たいな⋯⋯
の流れで書きました。
(余談：昔の自分も同じこと言ってて笑ってしまった)
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作者名：Y | 作成日時：2022年8月14日 22時
