TraumⅢ【短編集】 (ページ28)

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ながれぼし/しずえページ28

『ねぇねぇ、ニュース見た？』
『見た見た！今日流星群が見れるかも、だって〜！』

街でそんな会話を聞いた。
知らなかったな⋯⋯誰か、一緒に見に行ってくれる人は居るだろうか。

そう考えながら屋敷を回っていたところ、しずえさんと鉢合わせた。

「あのっ！」
「ねえ」

最初の一言が被さって、お互いに吹き出す。

──一緒に流れ星を見に行きませんか。

＊＊

「結構寒いねぇ⋯⋯しずえさん大丈夫？寒くない？」
「はい！」

もう10月。されど10月。
さほど寒くないだろうと思いつつも冬のジャンパーを着てきたがどうやら正解だったようだ。

髪を揺らす風に思わず身震いすれば、しずえさんが心配そうにこちらを見てくる。
彼女は私以上にもこもこで、あそこまで着込むとかえって暑いのでは無いか。ほんの少しだけそう思う。

「大丈夫だよ」

ネックウォーマーも持ってくればよかったな。

そうして待つこと数十分。

きらりと暗闇に一筋の光が走る。
流れ星だ。

「⋯⋯Aさんっ！見ましたか！？」
「見えた！すごい、綺麗⋯⋯！」

それをきりに次々と星が落ちてくる。

すごいなぁ、そう思いつつしずえさんの方を見れば彼女は手を組んで何かを祈るような仕草をしていた。

「⋯⋯どうしたの？」
「お願いごとをしているんです」
「なるほど」

そういえばよく言われてたっけ。流れ星にお願いごとをすると願いが叶う⋯⋯って。
そういうのを信じているわけではないけれど、たまにはいいかもしれない。

私は両手を組み、心の中で呟く。

『これからも皆と笑いあって過ごせますように』

⋯⋯信じていない。信じてないけど、叶ったら嬉しいな。

＊＊＊

久しぶりにあつ森起動したら流星群の日だったので。

あとタイトルがころころ変わってて「ん？」ってなるかもしれませんが、これはしっくり来なくて色々試しているだけです。
内容に変更はありません。