TraumⅢ【短編集】 (ページ21)

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付喪神のようなもの、だそうで。/サムスページ21

※現パロのようでそうでないもの

ある日、フィギュアが動き出した。

「そこ危ないぞ」
「⋯⋯えっ？」

次の瞬間、棚に飾っていたぬいぐるみが落ちてきた。
⋯⋯でも今はそれどころじゃない！

声の方に目を向けると、そこには一体のフィギュア。
幼い頃兄に譲ってもらった(買わせた)、ロボットのようなフィギュア。

『メトロイド』のサムスだ。

何で見たのかはもう覚えていないけど、すごくすごくかっこよくて、一目見た時からずっとこのフィギュアに心を奪われている。

「な、なん、しゃべ⋯⋯！？」

フィギュアは飾ってある棚から"自分で"飛び降りて、私の前までやってくる。

「Aが私のことを大切にしてくれたから、こうして動けるようになったんだ。お礼を言わせて欲しい、ありがとう」
「え、あ、どうも⋯⋯？」
「良ければこれからもここに居させて貰えないだろうか」

私はその言葉に、「とりあえずは」と頷いた。

＊＊＊

可動式アクションフィギュアが出ることを知ったので。