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抗争のことも、捕まったことも、鑑別所で過ごした1年のことも、何一つ話せないままAとは音信不通になった。
探し出そうと躍起になっている間にサウスが出所してしまい、俺達は流れるように六破羅単代へと入った。
当然の如く幹部になり、やがて三天戦争が起きた。
予定よりも少し早まったそれによって、極悪の世代は再びチームの頭を失う事となる。
不思議と、大将が死んだ時と違って何も感じなかった。
トップが死んだ六破羅単代は関東卍會に吸収され、今度はマイキーの下に降った。
次々と取り巻く環境の変化にAを探し出すという命題は先延ばしになり、幾多の歳月が経った。
そうして気付けば30歳。今では日本最大級の犯罪組織、梵天の幹部になっていた。
九井に多額の金を払いAの身辺調査を頼んだところ、数日後に呆気なく見つかった。
俺が必死になっていた12年間は、頭のいい奴に金さえ積めば簡単に解決出来たのだと虚しさを覚えた。
反面、生きていてくれた、それだけで安堵した。
今日は2月22日。時刻は23時を回ったところ。
竜胆、鶴蝶、モッチーを連れて大将の墓参りに行くと、今は別の道を生きている獅音がそこにいた。
また来年の同じ時間もここで会おうと約束して、数十分の再会に別れを告げる。
感傷に浸る間もなく仕事が舞い込み、竜胆だけ連れて繁華街の入口で降りた。
薄暗い路地に入り、先に到着していた部下共の元へと向かう。
既に現場で一悶着あったようで、ターゲットが顔面から流血しながら浅い呼吸を繰り返していた。
殺していいのかは知らないが、幹部が呼ばれるということはそういうことだろう。
サプレッサーを銃に取り付け、脳天へ照準を合わせた瞬間だった。
ターゲットが最後の抵抗と言わんばかりに逃げ出した。
詰めが甘かったなと、笑いながら追い掛ける。
ふらつきながら必死に前を走るターゲットが、角から曲がってきた誰かとぶつかり地面に転がった。
女、だろうか。薄暗くて顔はよく見えない。
尻餅をついた女の前でもがく男の頭めがけて一発撃ち込んだ。
じわじわと広がる赤黒い液体の横で震える女。
慌てて落としたスマホに手を伸ばそうとする。通報されたら面倒だ、スマホにも銃を放って機能を停止させた。
女は壊れたそれを放って、逃げ出した。
口封じが必要だったが、今日はもう疲れた。明日にでも探し出して殺せばいい。
画面に穴の開いたスマホを拾い上げて路地を後にした。
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れん(プロフ) - まゆさん» まゆさま、コメントありがとうございます!お褒めの言葉、とても嬉しく思います!「一生幸せ」も読んでくださってありがとうございます☺️全然系統が違うのに一気読みしていただけて嬉しいです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります✨ (3月18日 19時) (レス) @page23 id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 初コメ失礼致します。お話が面白くメチャクチャ引き込まれてしまい、気づいたら一気に読んでしまいました!あと実は、れん様の他の蘭君のお話しも一気に読ませていただきました!どれも最高に良かったです!!更新頑張ってくださいね。応援しています。 (3月18日 8時) (レス) @page23 id: e4a4033c2e (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - とわさん» とわさま、コメントありがとうございます!沢山の蘭くんの小説の中からこちらを見つけてくださって嬉しい限りです!貴重なお時間を使って読んでいただいている分、面白かったと思ってもらえるようなお話に出来るよう頑張ります☺️ (3月16日 1時) (レス) @page21 id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
とわ - 蘭くんの小説探してたらみつけたんで読ませていただいてます!めっちゃいいっすね…まじ好きな感じできてて… これからも読ませていただきます!応援してます!頑張ってください! (3月15日 3時) (レス) @page21 id: 8407209a34 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - kizunaさん» kizunaさま、コメントありがとうございます!こちらのお話にも遊びに来てくださって本当に嬉しいです☺️更新頑張りますので、またお暇な時に読んでいただけたら幸いです…! (2月23日 21時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れん | 作成日時:2024年2月23日 0時