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土曜日の昼過ぎということもあり、想像以上に人が多い。

大半は女同士だったり家族連れだったりの中、カップルで来ている奴らもちらほらいる。

その中にいる俺たちも立派なカップルだったなと、改めて関係性を再認識しては悦に浸る。



「竜くんはどの子が気に入ってるの?」

「俺もうさぎ。Aが好きだから贔屓目に見てたけど、それ抜きにしても一番好きだな。」

「一緒なの嬉しい。」



壁やガラスに施されたラッピングの写真を撮りながら、Aが嬉しそうにはしゃいでいる。

その姿を撮ってやろうとカメラを向ければ、満面の笑みでポーズを取るA。



「可愛すぎて無理なんだけど。」

「キレ気味なの面白い。」

「手繋いでて。可愛すぎてどっか行きそうだし。」

「どこにも行かないよ。」



独占欲丸出しで左手を差し出せば、薄く笑ったAの右手が重なった。

指を絡ませて、きゅっと握る。



「離れんなよ?」

「うん。竜くんの隣にいる。」



やわやわと握り返してくるその仕草が可愛くて仕方がない。

人目も憚らず頭を撫でれば、Aは恥ずかしそうに少し頬を染めて視線を落とした。



「写真撮る時は言って。」

「一緒に撮ろう。ホーム画面用にツーショ撮りたい。」



ぐるりとコラボ会場を一周して、一番可愛いとAが言ったうさぎの前でインカメラを起動した。

映える写真を撮るのは得意だと自負している。



「これどう?」

「竜くんのセンスすごい…!」



撮った写真を見せればとても気に入ってくれたようで、すぐにメッセージから写真を送信した。

ホーム画面お揃いにしよう、そう言えば真っ直ぐに俺の瞳を見て頷いてくれた。



「限定ショップも行くだろ?」

「絶対行く。何かお揃いにしたいけど、竜くんは恥ずかしい?」

「全然。同じの買おうぜ。」



列に並びながらグッズのラインナップを眺め、どれにしようかと話している時間すら楽しくて仕方がない。

デートって、こんなにも心が踊るものだったなんて知らなかった。


こんな気持ちを教えてくれたAには感謝してもしきれない。

一生、俺が幸せにしてやりたいって思えた。


どんな時でも側にいて、同じ時間を過ごして、好きなものも嫌いなものも全部共有して、一緒に笑い合いたい。



「竜くんどうしたの?」

「いや…好きだなって。Aのこと、すげー好きなんだよ。」



自分でも驚くくらい、Aに夢中なんだ。

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れん(プロフ) - kizunaさん» kizunaさま、コメントありがとうございます!こちらにも遊びに来ていただけて嬉しいです!好みだなんて勿体無いお言葉…!更新の励みになります😭また遊びにいらしてくださいませ! (2月25日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
kizuna(プロフ) - 本当に作者様の作るお話が凄く好みで最高です!これからも頑張って下さい! (2月25日 19時) (レス) @page31 id: 0b38a899d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れん | 作成日時:2024年1月30日 21時

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