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「今度は泊まりに来てもいいよ。」

「だから煽んなって。」

「…竜くんだからいいよって意味なの、分かってよ。」



少し恥ずかしさを含みながらむっとするAに、覚悟しておけよと言葉を返した。

自分にも、覚悟を決めろと言い聞かせるかのように。



「うちにも泊まり来れば?葵ちゃんもいるし。」

「行きたい。葵と女子会したい。」

「いいじゃん。仲良い2人見てるの好きだし。」



彼女が友達同士なのはいいな。

兄ちゃんに嫌がらせされる心配もないし、Aの話は葵ちゃんから聞けるし。


また家に着いたら連絡するからと、22時を回ったところでAの家を後にする。

寂しそうにしていた顔が忘れられず、タクシーの中で何度も思い浮かべる。

いつまでも、どれくらい時が経っても、こんな新鮮な気持ちで一緒にいようと心に決めた。


家に着く直前にスマホが震える。

Aかなと見れば、この間六本木で会った仲間の一人からのメッセージだった。


頼まれていたDJの件、今週の土曜日の22時からという連絡だった。

続けて送られてきたメッセージには、仲間の誕生日を祝うパーティーのことが書かれている。

それにしても急だ。もう少し早く教えてほしかった。


土曜日はAとデートなんだけど、どうするかなと悩む。

とりあえず兄ちゃんに相談しようと返信を後回しにして部屋へと入った。



「竜胆さんお帰りなさい。」

「ただいま。兄ちゃんは?」

「お風呂です。」



Aに帰宅したとメッセージを送って、部屋の隅にあるDJブースの前に立った。

最近いろいろあったからあまり触っていなかったなと、少し埃の乗ったそれを指でなぞる。



「それ、ずっと気になってました。」

「DJブース?」

「どうやるのかなって。」

「ちょっと煩くなるけどいい?」



こくりと頷いた葵ちゃんを見て、電源を入れる。

適当にやって見せれば、格好いいと褒められてちょっと嬉しかった。



「写真撮ってAちゃんに送っていいですか?」

「いいけど格好よく撮ってくれよ。」



そんなことをしていたら兄ちゃんが風呂から上がってきて、久々に煩いことしてるなと悪態を吐く。

先程のイベントの件を相談すれば、どうせなら4人で行こうぜと笑って返された。



「葵も行ってみてぇだろ?夜遊びしようぜ♡」

「捕まらない?」

「蘭ちゃんが守ってやるから安心しろー♡」



Aにもいい所見せたいし、それもアリかもしれない。

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れん(プロフ) - kizunaさん» kizunaさま、コメントありがとうございます!こちらにも遊びに来ていただけて嬉しいです!好みだなんて勿体無いお言葉…!更新の励みになります😭また遊びにいらしてくださいませ! (2月25日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
kizuna(プロフ) - 本当に作者様の作るお話が凄く好みで最高です!これからも頑張って下さい! (2月25日 19時) (レス) @page31 id: 0b38a899d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れん | 作成日時:2024年1月30日 21時

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