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3 【side you】 ページ3

「Aちゃんと寄り道するの楽しみにしてた!」

「私も。早く授業終われって思ってた。」



中学が同じだった人が殆どいなくて寂しかった。

なかなか友達も出来なくて、1人で過ごすことが多かった。

2週間も経てばある程度クラス内でグループが出来上がっていた。


もう手遅れかな、そう思っていたある日のこと。2つ前の席にいる女の子が私に声を掛けてくれた。



「パン好きなの?」



ほぼ毎日、昼食にパンを持ってきていた私にそう問い掛ける、三ツ谷葵さん。

いつもその子の後ろの席にいる同じ名字の三ツ谷くんと双子みたい。

直接聞いたことはないけれど、休み時間は常に一緒だし、顔も似ているからそうなんだと思う。


特別好きと言うわけではない。パンなら持ってくるのも買うのも楽だから。

せっかく声を掛けてくれたのにそうは言えず、好きだよと答えれば葵さんはにこにこと笑った。

美味しいパン屋さん見つけた、よかったら食べてと甘い香りが漂うそれを差し出される。

いただきます。

甘くて美味しい風味が口いっぱいに広がって、思わず声が出た。



「美味しい…!」

「でしょ!私友達いなくて、いつもタカに相手してもらってるんだ。」

「私も。…よかったら、また一緒にお昼食べたい。」

「一緒に食べよ!タカも入れてあげるね。」

「散々相手してやったのにその言い方。」



私たち双子なの。そう笑った2人の笑顔は本当にそっくりだった。

それからは休み時間の度にいろいろ話をするようになって、名前も呼び捨てになって、今日は放課後に遊ぼうということになった。

三ツ谷くんは用事があるから来ないみたい。



「どこ行く?寄り道って初めてだから何したらいいか分かんないんだよね…。」

「何か食べに行ったり、プリ撮ったり、とか?」

「いいね!行こう!」



有名なファストフードに行けば、思ったよりも空いていた。

窓際の席、初めて一緒に買い食い。

いろいろ話してくれたり、私の話を聞いてくれたり。飽きることなくずっと話していられるの、すごく楽しい。


ふと、店内が騒がしいことに気付く。葵は全く気にしていないようだった。

何かあったのかなと振り向けば、あちこちで女の人が色めき立っているのが見えた。



「ねえ葵、なんか騒がしくない?」

「え?…あ、ほんとだ。なんかあったのかな?」



葵のポテトを摘む手は止まることがなかった。

呑気な子、可愛いな。

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れん(プロフ) - kizunaさん» kizunaさま、コメントありがとうございます!こちらにも遊びに来ていただけて嬉しいです!好みだなんて勿体無いお言葉…!更新の励みになります😭また遊びにいらしてくださいませ! (2月25日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
kizuna(プロフ) - 本当に作者様の作るお話が凄く好みで最高です!これからも頑張って下さい! (2月25日 19時) (レス) @page31 id: 0b38a899d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れん | 作成日時:2024年1月30日 21時

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