Christmas Derby 3 ページ8
静かになったように感じて、耳に当てていた手をそっと離す。
「しっかり掴まってろよー？」
周りの光景を見ないようにと、軽々と私を抱き上げた蘭ちゃんの胸元に顔を埋めた。
遅刻をして、出口を間違えて、不良に絡まれる。
どこまでも迷惑を掛けてばかりの自分が情けなくて、ごめんねの言葉と一緒に涙が溢れた。
「全く、手のかかる可愛い嫁だなー♡」
「ごめんなさいぃ…！」
「…怖かったよなー。ごめんな、A。」
路地を抜けて人通りの多いところで降ろされる。
蘭ちゃんの手をぎゅっと握って涙を拭えば、可愛い顔が台無しだと困ったように笑う蘭ちゃんがいた。
「怪我は？」
「してない、大丈夫…。」
「Aに何かあったら病院どころか火葬場送りになってたわ。」
あったかくて大きな優しい手が頭を撫でてくれる。安心感からまた涙が滲みそうになった。
「みなさんも、ごめんなさい…。」
「Aが無事ならそれでいい。」
「それな。Aちゃんが無傷でよかった。」
「出た保護者。何なのお前ら、Aのパパかー？」
蘭ちゃんが「Aは俺の嫁だ」と後ろからぎゅっと抱きついてきた。
何の話か分からないが、みんなが仲良さそうで私もつられて笑ってしまった。
そろそろ行こうと歩き出す3人の少し後ろを、蘭ちゃんと手を繋ぎながらゆっくりと歩く。
蘭ちゃんが私の服を見て可愛いと何度も写真を撮った。
「三ツ谷が作ったんだってー？」
「すごいでしょ！」
「悔しいけどセンスあるよ、あいつ。蘭ちゃんの次にな♡」
兄が作った服を褒めてもらえるのは嬉しい。
ぽちぽちと携帯を弄る竜胆さんが蘭ちゃんに話し掛けた。
「これから行くゲーセン、衣装の貸し出しあるんだって。」
「Aの服と合うコーデあるといいなー。」
「俺は着ねぇからな…。」
「何着ても俺より劣るもんなぁ…？ごめんなぁイザナ。」
覚えてろよ、そう言った黒川さんの顔には青筋が立っていた。
その後ゲームセンターに到着するなり着替えに行った蘭ちゃんたち。
緑のストライプが入った黒いスーツ、ポインセチア柄の赤いネクタイ、ファー付きの黒いロングコート、ゴールドをアクセントにしたショートブーツ。
あまりに似合いすぎているその格好に赤面してしまうのを感じた。
「格好良すぎて直視出来ない…。」
「カリスマ性、見せちゃおうか♡」
−−−−−
(ずっと書きたかった最高のイベントでした…！)
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れん(プロフ) - 菜穂さん» 教えていただけて助かりました…！ちょっと崩壊気味な蘭ちゃんのお話ばかりですが、読んでいただけてとても嬉しいです！またお時間のある時に見ていただけたら幸いです☺️ (1月20日 16時) (
レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - れんさん» いえいえ！それは仕方ないですよ。感想もなしに指摘してしまいすみません。とても良い作品ですね、応援してます (1月20日 0時) (レス) @page8 id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 菜穂さん» 菜穂さま、ご指摘ありがとうございます！毎回更新するたびにチェック入ってしまうので、これからは確認してから保存するように気をつけます…！ (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ありかさん» ありかさま、コメントありがとうございます！その二文字をいただけて嬉しさしかありません…！😭 (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - お/り/ふ/ら立ってますよー (1月19日 20時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2024年1月17日 0時
