何気ない日常 1 ページ24
「蘭ちゃん起きてるかな…？」
「んー…、ん…？」
とある昼下がり。
一人で昼食を食べ終えた私は暇を持て余していた。
いつもなら竜胆さんが話し相手になってくれたり一緒にゲームをしてくれたりしていたのだが、生憎今日はデートなのだとルンルンで家を出て行ってしまった。
未だに部屋から出てこない蘭ちゃんの様子を見に、部屋へと入る。
薄暗い部屋の奥にあるベッドで眠っていた蘭ちゃんに小さく声を掛ければ、寝返りを打って右目だけうっすらと開いた。
「Aー…？」
「暇だよ蘭ちゃん…。」
「…こっち、…。」
おいで。
そう言わんばかりに掛け布団を捲り、体の横をぽんぽんと叩かれる。
よく眠るなぁ、寝疲れしないのかな？
そんな疑問を浮かべながらベッドのすぐ側まで寄る。
刺青の入っていない色白の腕が伸びてきて私の手を捕まえた。
あったかい、なぁ。
さっきまで開いていた蘭ちゃんの右目は閉じられている。
その代わりに、口元が弧を描いていた。
あまり眠くはないのだけれど、一人でリビングにいてもつまらない。
本当は一緒にご飯を食べたいし、お出掛けもしたい。
だけどそれは私の我儘で、寝ることが大好きな蘭ちゃんに無理矢理押し付けたいわけではない。
夕方頃に起きてくれたら、どこかに夕食を食べに行きたいな。
淡い期待を胸に仕舞って、ベッドに片膝をつく。
繋がれた手をくい、と引っ張られる。バランスを崩した私はそのまま倒れ込むように蘭ちゃんと重なった。
「…寂しかったー…？」
左手で頭を包まれるように抱き寄せられて、心地良い体温を感じながら小さく頷く。
大好きな香りが鼻腔を擽る。頭がくらくらしそう。
蘭ちゃんでいっぱいになった胸の中があったかい。
「後で出掛けようなぁ…。」
「…いいの…？」
「可愛い嫁を放ったらかしにしちゃったから、…お詫びって…、…。」
え、と聞き返すも返事がない。
すうすうと寝息が聞こえてきて、ゆっくり顔を上げれば綺麗な寝顔がそこにあった。
話している途中で眠ってしまうだなんて。
ほんと、蘭ちゃんはマイペースなんだから。
明かりのない真っ暗な部屋で、ふかふかのベッドに横になっていたら自然と眠気が私を誘う。
たまには、こんな休日も悪くないかもしれない。
少しだけ、一緒にお昼寝をしよう。
大好きな人の温かな腕と大好きな香りに包まれたら、眠りに落ちるのは簡単だった。
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れん(プロフ) - 菜穂さん» 教えていただけて助かりました…！ちょっと崩壊気味な蘭ちゃんのお話ばかりですが、読んでいただけてとても嬉しいです！またお時間のある時に見ていただけたら幸いです☺️ (1月20日 16時) (
レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - れんさん» いえいえ！それは仕方ないですよ。感想もなしに指摘してしまいすみません。とても良い作品ですね、応援してます (1月20日 0時) (レス) @page8 id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 菜穂さん» 菜穂さま、ご指摘ありがとうございます！毎回更新するたびにチェック入ってしまうので、これからは確認してから保存するように気をつけます…！ (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ありかさん» ありかさま、コメントありがとうございます！その二文字をいただけて嬉しさしかありません…！😭 (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - お/り/ふ/ら立ってますよー (1月19日 20時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2024年1月17日 0時
