嫉妬する 2 ページ22
「え、待って。A？何で怒ってんのー？」
「怒ってない！行ってらっしゃい！」
追いかけてきた蘭ちゃんが布団を剥がそうとする。
私も抵抗して必死に布団を掴む。
ドアの方からは何してんのと竜胆さんの呆れたような声が聞こえた。
「Aー。」
「どこにでも行ってくればいいよ！蘭ちゃんなんか知らない！」
「知らないヤツいるの嫌だった？なあ、言ってくんねーと分かんねえよ…？」
蘭ちゃんが布団を引っ張るのを止めて、困ったように話し掛けてくる。
「可愛いって言った…。」
「え、何が？誰に？」
「シオンさんに！」
「あー、あいつね。いつもイキってるくせにイザナいると大人しくて可愛いんだぜ。」
ああ、また。
何度も聞きたくないのに、蘭ちゃんは当然のように可愛いって言うんだ。
嫌だなって気持ちで胸がいっぱいになって、息をするのも忘れてしまいそうになる。
じわじわと目に涙が溜まり、溢れないようにと必死に唇を噛む。
「絶対行かない！蘭ちゃんのばか！」
「コラ、そろそろ蘭ちゃんも怒るぞー？」
「私の方が怒ってるんだよ！」
埒が明かないやり取りに、何がそんなに嫌なのかと竜胆さんがぼやいた。
どうせ2人とも、子供だなって思ってるんでしょ。
子供でもいい。
蘭ちゃんに可愛いって言われるのは私だけがいいって思うのは、恋人だったら当然じゃないの？
私の心が狭すぎるだけなの？
「Aー、何でも言うって約束しただろー？」
「…私以外の女の子に…可愛いなんて言わないでよ！」
「女…？」
「シオンさんが可愛いとしても！口に出さないで！嫌なの！」
嫉妬した。顔も知らないシオンさんに。
それくらい蘭ちゃんのことが大好きなのに、蘭ちゃんには届いていないかのように感じて悲しくなった。
しんと静まり返る部屋。
蘭ちゃんも私も、竜胆さんも、誰も何も言わない。
呆れてるのかな。重い女って思ったかな。嫌われたかな。
さっきまでの威勢はどこへやら、不安に苛まれて涙が溢れる。
何でもいいから一人にしてほしい。そう呟いた私の頭を、布団越しに撫でられる。
「あのな、A。獅音は男だぜ…？」
「………え、」
「可愛くも何ともない野郎だけど…？」
男…？いや、嘘かもしれない。
騙されているのかもと言葉が出せずにいると、電話の呼び出し音が部屋に響く。
「スピーカーにするからよく聞いてて。」
そう言った竜胆さん。すぐに通話が繋がった。
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れん(プロフ) - 菜穂さん» 教えていただけて助かりました…！ちょっと崩壊気味な蘭ちゃんのお話ばかりですが、読んでいただけてとても嬉しいです！またお時間のある時に見ていただけたら幸いです☺️ (1月20日 16時) (
レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - れんさん» いえいえ！それは仕方ないですよ。感想もなしに指摘してしまいすみません。とても良い作品ですね、応援してます (1月20日 0時) (レス) @page8 id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 菜穂さん» 菜穂さま、ご指摘ありがとうございます！毎回更新するたびにチェック入ってしまうので、これからは確認してから保存するように気をつけます…！ (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ありかさん» ありかさま、コメントありがとうございます！その二文字をいただけて嬉しさしかありません…！😭 (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - お/り/ふ/ら立ってますよー (1月19日 20時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2024年1月17日 0時
