女の子の日 3 ページ20
「マジで殴るのやめてくんねーかな…。」
痛そうに頭を擦る竜胆さんがキッチンでぼやく。
案の定、寝起きの悪い蘭ちゃんに叩かれたようで申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「Aー、」
「蘭ちゃん…おはよ。」
竜胆さんから聞いたらしい蘭ちゃんが私の前に屈んで目線を合わせる。
眠そうだった細目が驚いたように開いて、私の頬に手を添えてくれた。
「どうした？大丈夫？俺が怒ってたから？」
「違う、大丈夫、…ごめんねぇ…。」
「A、昨日はごめんな？もう怒ってねえから。」
ぎゅっと抱きしめられて、涙腺が緩みそうになる。
寝起きの蘭ちゃんはあったかくて、その温度が心地よく感じた。
力なく蘭ちゃんの服をきゅっと掴む私に、蘭ちゃんが体調悪いんだよなと聞いてきた。
「症状、全部教えて。」
「貧血で…頭痛くて、めまいがする…あと…、お腹痛い…。」
「………それ、」
生理だよな？
蘭ちゃんがそう呟く。
その言葉を言い出せなかった私は小さく頷いた。
「全部理解した。ごめんな、あんな言い方して。心配してたとは言え、Aを傷つけた。本当に悪かった。」
優しく髪を撫でられる。
いつもの蘭ちゃんで酷く安心したのも束の間、下腹部の鈍痛に「うっ」と声が漏れてしまった。
「蘭ちゃんごめんね…恥ずかしくて言えなかった…。」
「言いにくいよな。でもな、蘭ちゃんはAの旦那だから、何でも話してほしい。」
「うん…これからはちゃんと言う…。」
蘭ちゃんの手がお腹に触れる。
優しく撫でてくれるその手が気持ち良くて目を閉じた。
キッチンで全てを聞いていた竜胆さんが白湯を持ってきてくれて、鎮痛剤あったかなと探してくれた。
「兄ちゃん、これ。」
「ん。A、飲める？」
鎮痛剤を受け取って口に入れ、白湯で流し込む。
効き目が早いヤツだからすぐ良くなるといいなと、2人が話しているのをぼんやりと聞いていた。
「いつも重てぇの？」
「重い時と、そうじゃない時あるなぁ…。」
「してほしいことある？」
「…隣にいてほしい…。」
そんなの当たり前、そう微笑んだ蘭ちゃんが隣に座って手を繋いでくれた。
今日は一日中、2人でゆっくりしていよう。
「俺さー、こういうの初めてだから。でも、Aのためなら何でもするからちゃんと言って？」
「蘭ちゃんありがとう…大好き…！」
「愛してるぜ、A…♡」
憂鬱な日も、蘭ちゃんと一緒なら幸せになれる。
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れん(プロフ) - 菜穂さん» 教えていただけて助かりました…！ちょっと崩壊気味な蘭ちゃんのお話ばかりですが、読んでいただけてとても嬉しいです！またお時間のある時に見ていただけたら幸いです☺️ (1月20日 16時) (
レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - れんさん» いえいえ！それは仕方ないですよ。感想もなしに指摘してしまいすみません。とても良い作品ですね、応援してます (1月20日 0時) (レス) @page8 id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 菜穂さん» 菜穂さま、ご指摘ありがとうございます！毎回更新するたびにチェック入ってしまうので、これからは確認してから保存するように気をつけます…！ (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ありかさん» ありかさま、コメントありがとうございます！その二文字をいただけて嬉しさしかありません…！😭 (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - お/り/ふ/ら立ってますよー (1月19日 20時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2024年1月17日 0時
