お祝いをしてもらう 1 ページ16
高校生活が始まって数週間が経った。学校生活にもだいぶ慣れて、楽しい毎日を過ごしている。
今日は日曜日。
いつも通り、お昼過ぎに起床した蘭ちゃんがリビングへ現れる。
「Aー…。」
「蘭ちゃんおはよ!」
借りていたゲームを中断して蘭ちゃんに駆け寄る。
眠そうに目を擦り、欠伸をした蘭ちゃんが私にもたれ掛かった。
「待って待って重たい…!倒れる…!!」
「…ん、ぁ、ごめんなぁ。寝そうだったわ…。」
蘭ちゃんは細身とは言え、身長180cm超えの男性が力を抜いてもたれ掛かってきたらさすがに支えられない。
それにしても重たいは言い過ぎだったなと後悔した。
「眠かったらもうちょっと寝てていいんだよ?」
「や、起きる。つーか起きねえと…。」
何で、そう言いかけた時に玄関から音がした。
1時間くらい前に竜胆さんが買い物に行くと言って出掛けたが、帰ってきたみたい。
「ただいまー…なんだ、兄ちゃん起きてんじゃん。」
「おー。ちゃんと買ってきたかぁ?」
「当ー然。つーか早く準備しなよ。」
両手にたくさんの荷物を抱えた竜胆さんが自室へと入っていく。
2人の会話からして、蘭ちゃんが買い物でも頼んだのだと理解した。
それは置いといて、準備って何だろう?
出掛けるのかなと思って聞いてみたら、蘭ちゃんは違うと答える。
「お昼ご飯、何食べる?」
「今日はなー…特別♡」
「特別?」
どういうことかと疑問符を浮かべる私に、蘭ちゃんがこっちにおいでと私の手を引いた。
蘭ちゃんと私の自室に連れて行かれ、今日はこの服を着てほしいと頼まれる。
出掛けるわけでもないのにわざわざ着替えるのは何故だろう。
「あっ!これ、また新しい服…!買わなくていいって言ってるのに…。」
「蘭ちゃん聞こえなーい♡」
もう、すぐそれ。
にやにやと笑う蘭ちゃんと、小さく溜息を吐く私。
似合うと褒めてくれる蘭ちゃんも着替えを始めて、慌てて視線を逸らす。
蘭ちゃんの体を見たことは何度かあるけれど、未だに恥ずかしくて当分慣れそうにない。
「顔真っ赤じゃん。可愛いなー♡」
「いいから早く服着て…!」
くすくすと笑う蘭ちゃんも着替え終わったようで、2人揃ってリビングに戻れば竜胆さんもちょうど部屋から出てきた。
「もう下まで来たって。」
「早いなー、あいつら。」
「誰か来るの?」
私の問いに2人揃って頷く。
誰だろうと考える間もなくインターホンが鳴った。
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れん(プロフ) - 菜穂さん» 教えていただけて助かりました…!ちょっと崩壊気味な蘭ちゃんのお話ばかりですが、読んでいただけてとても嬉しいです!またお時間のある時に見ていただけたら幸いです☺️ (1月20日 16時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - れんさん» いえいえ!それは仕方ないですよ。感想もなしに指摘してしまいすみません。とても良い作品ですね、応援してます (1月20日 0時) (レス) @page8 id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 菜穂さん» 菜穂さま、ご指摘ありがとうございます!毎回更新するたびにチェック入ってしまうので、これからは確認してから保存するように気をつけます…! (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ありかさん» ありかさま、コメントありがとうございます!その二文字をいただけて嬉しさしかありません…!😭 (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - お/り/ふ/ら立ってますよー (1月19日 20時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れん | 作成日時:2024年1月17日 0時