夢で未来の兄弟に会う 3 ページ13
自分の絶叫に驚いて飛び起きた。まだ春先だと言うのに、私の額は汗でびっしょり濡れていた。
「A！？大丈夫かー？」
「はっ、はぁっ、…ッ…、」
「怖い夢見た？大丈夫、蘭ちゃんがいるから安心しな？」
デスクでPCを弄っていた蘭ちゃんがベッドの横まで来て、目線を合わせるように屈んだ。
ぎゅっと抱きしめられ、ゆっくりと頭を撫でてくれる感触はいつもと同じで酷く安心した。
「蘭ちゃん…？」
「Aの蘭ちゃんだぜー？」
「ほ、本当に蘭ちゃん…！？」
PCの光がぼんやりと蘭ちゃんを照らしている。
いつもと同じ黒と金のツートンカラーは三つ編みにされていて、ピアスは左耳に一つだけ。
喉元にあの刺青はない。
いつもの、蘭ちゃんだった。
「兄ちゃん、今の絶叫Aちゃん？大丈夫？」
ドアの向こうから竜胆さんの声。
ああこれ、デジャブだ。
竜胆さん(仮)だったらいよいよ気絶する自信があった私は、ゆっくり顔だけ出してほしいとお願いする。
「どういう状況？」
ゆっくりと部屋を覗いたのは、金と水色のメッシュ。丸い眼鏡を掛けていて、ピアスも片方だけ。
じっと喉元を凝視すれば、やはりあの刺青はない。
「本当の蘭ちゃんと、竜胆さんだ…！」
「本当の？」
「俺ら？」
あれは何だったのか。あまりに鮮明すぎてリアルだった。
2人が今よりももっと大人びていて、髪型や雰囲気がまるで違っていた。
蘭ちゃんと結婚していた。しかも男の子が産まれていた。名前まではっきりしていた。
蘭ちゃんも竜胆さんも、そして私も。どこかで見たような刺青を喉に入れていた。
これからもずっと一緒だと蘭ちゃんが言った。その目はいつもと同じ薄紫色なのに、光がないように見えて怖かった。
そんな夢を見たのだと話す。2人は静かに話を聞いてくれていた。
「夢の中でもAと結婚してんの最高じゃねー？♡」
「俺が兄ちゃんの甥っ子を可愛がるのか…想像つかねー…。」
変な夢だったね、そう言って私はふと蘭ちゃんのPCに目をやる。
デスクトップには2人の他に黒川さんと鶴蝶さん、見たことのない人が他にも映っていた。
前にチームを組んでいたとは聞いていたから、記念の写真なのだろう。
黒川さんの耳に着けられた独特なピアスに目が留まった。
そうして気付く、夢で見た3人の刺青に。
「うわぁー！？！？」
「A！？」
「Aちゃん！？」
今度こそ、私は気絶した。
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れん(プロフ) - 菜穂さん» 教えていただけて助かりました…！ちょっと崩壊気味な蘭ちゃんのお話ばかりですが、読んでいただけてとても嬉しいです！またお時間のある時に見ていただけたら幸いです☺️ (1月20日 16時) (
レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - れんさん» いえいえ！それは仕方ないですよ。感想もなしに指摘してしまいすみません。とても良い作品ですね、応援してます (1月20日 0時) (レス) @page8 id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 菜穂さん» 菜穂さま、ご指摘ありがとうございます！毎回更新するたびにチェック入ってしまうので、これからは確認してから保存するように気をつけます…！ (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ありかさん» ありかさま、コメントありがとうございます！その二文字をいただけて嬉しさしかありません…！😭 (1月19日 23時) (レス) id: 160e1714c7 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂(プロフ) - お/り/ふ/ら立ってますよー (1月19日 20時) (レス) id: 97df43ce45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2024年1月17日 0時
