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車で、Aの家に向かう。
適当に路肩に止めて、インターホンを押した。
「いらっしゃい、平和さん」
そう彼女の母親は笑顔でドアを開けた。
それは、たいそう嬉しそうに。
「こんばんは。わざわざありがとう。」
なぜ、以前の夫を忘れてこんなに嬉しそうにしているのか。
Aはお父さんのことを待ち続けているというのに。
嗚呼、嫌だ。
こんな穢れた存在といたくない。
1秒でも早く、Aから遠ざけなければ。
家に上がる。
家の外観から察してはいたが、立派な家とは言えない。
玄関から入り、リビングへの扉を開けると、少し剥がれた壁紙が見えた。
元は綺麗な白色であったであろうその壁紙も経年劣化や日常生活の中で燻んだ色になっている。
ここにいたら、Aも、きっと。
建て付けが悪いのか、かたかたとなる窓から、青白い月が覗いていた。
視線を中央に戻す。
室内は片付けられており、綺麗に見える。
しかし、家具のバランスなどはやはりバラバラで劣化具合もそれぞれ違う。
おそらく中古なのだろう。
この状態でAへの薬代を絞り出すのは相当厳しかっただろう。
今更ながら罪悪感。
だが、もう、戻れない。戻らない。
上着の右ポケットの中にあるモノを握る。
「今夜、来る？」
「...行き...たい。でも、でもAを置いてくなんて、やっぱり...」
「ごめんなさい、まだ決心が、ついていなくて」
面倒臭い。
提案したのはそちら側だというのに。
でも、計画を遂行するには我慢はつきもの。
「そう...だよな。少し時間を置こう」
「この時間はAちゃんはいないみたいだから、決意が決まったら連絡を」
「ごめ、ごめんな、さい...」
「私のわがままに付き合わせちゃって...」
「大丈夫。幸せになることが一番だから」
そう言って俺は家を出た。
...幸せになることが一番、ねぇ。
仕方ない。
こんなに待つんだから、Aからは離れてもらわないと。
一生近づけないほどに。
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りんご(プロフ) - あきみかんさん» あきみかん様 再度コメントありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです...！(下書き中ですがshpの微ヤンデレも公開予定なので、またお会いできれば嬉しいです…!) (2021年7月17日 23時) (
レス) id: 8618b53d3f (このIDを非表示/違反報告)
あきみかん(プロフ) - shpサイドとっても良かったです…！こんな素晴らしい作品をありがとうございました…！ (2021年7月17日 9時) (レス) id: 8016636dd6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - あきみかんさん» あきみかん様 コメントありがとうございます！後半の視点が映るところからがshpsideとなっておりますので、そちらからお楽しみいただけると思います..！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: 8618b53d3f (このIDを非表示/違反報告)
あきみかん(プロフ) - 推しのヤンデレ…しゅき…shpサイド、お願いします…！ (2021年7月16日 16時) (レス) id: 8016636dd6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - レイ様 コメントありがとうございます！shpサイドは追加するか悩んだためお楽しみいただけて嬉しいです！(コメントでは基本的に検索よけをした方がいいかと思いますので、一部消させていただきます。申し訳ありません。) (2021年7月9日 10時) (レス) id: 8618b53d3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2021年4月10日 13時
