Promise(I'll be) (ページ21)

今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:12,732 hit

必死な私ページ21

『テクヒョン、ここはそっちじゃなくてこっちに来られる？』

『あぁ、OK』

彼らは、東京ドーム公演に向けて、フォーメーションをチェックしている

真剣な顔をしているテギョンさんを見ていると

やっぱり、どうしても心臓が高鳴ってしまう

………避けないでと言われてしまったし

私は、逃げないでいるのだけど

本当は、逃げたくてたまらなかった

彼は、私に【遊び相手じゃない】なんて言っているけど

そんな言葉に騙される訳にはいかないから

こっちも、結構必死……

そんなことを考えていたら

いつの間にか、側に来ていたテギョンさん

『Aさん、俺飲み物買いにいくけど、なんかいる？』

『あぁ、いえ、大丈夫です。』

『じゃあ、一緒に行こうよ』

『え？私はいらないですって言ったんだけど…』

『ん？知ってる。……ちょっと、付き合ってよ』

なんて言いながら私の腕を引っ張っていく

『…………』

2人で廊下を歩いていると

『ドーム公演最終日が、Aさんの取材も最終だよな？』

『えぇ。そうですね』

『……そっから、先……

俺たちは、どうなんの？』

『………どうもなりませんね』

『………もう、会えないの？』

テギョンさんが、立ち止まって私を見下ろす

『会う、理由はないですもん』

『………会いたいのは、俺だけ？』

『…………』

『……ちょっとは、俺に会いたいと思ってるだろ？』

『………飲み物、何にするんですか？』

『はぐらかすなよ』

『このお仕事を続けていれば、また会えますよ』

笑顔を張り付けて彼を見上げる

キュッと私の手を握る

『そんなんじゃ嫌なんだけど』

『………ドーム公演が終わるまでに、考えておきますね』

笑って、手を離す

『………またお預けかよ…』

『ねぇ、テギョンさん。』

『なに？』

『私、そんな風にしか答えられないですよ？

もうやめたらいいじゃない。』

『やめられたら、もうとっくにやめてるよ』

トクン……

高鳴った胸を隠すように、彼を置いて前を歩く

クイッと襟を引っ張られる

『……なんですか？』

『本当は、結構俺になびいてるだろ？』

私に顔を近づけて、ニヤッと笑う彼のオデコを押す

『……なびいてません。』

ひょっとしたら、私

彼よりも必死かもしれない。