捻れたセカイの歌姫2【ツイステ】【プロセカ】

57 ページ27

リド「馬鹿……だって？」



リドル寮長の鋭い視線が此方に向く


正直怖い、けど……今此処で言わなきゃ気が済まない


こんなのどう考えたっておかしい


ケイト先輩の止める声を無視し私は続ける



『確かにルールを守る事は大事です


でも…これは違うと思います


皆の笑顔を奪ってまでやる事とは思えない』



これ以上は、見過ごせない


そんな意を込めて寮長を見る


するとリドル寮長が明らかな憤慨を見せた



リド「キミは……確か草薙寧々と言ったか


そもそも、何故ハーツラビュル寮生じゃないキミが此処にいるんだい！？部外者は口を挟まないでくれ！」


『！』



あまりの威圧にたじろぐ


駄目だ、全然伝わらないし聞いてもらえない


すると一度静かになったエースに再び火が点いたのか前に出た



エ「いーや言うね、寧々の言ってる事は何も間違っちゃいねぇ


そんなルールに従ってタルトを捨てるなんて馬鹿だと思うだろ、ふざけんなよ」


デュ「俺も寧々とエースに賛成です


勿論ルールは守らなければいけないものだとは思いますが……流石に突飛過ぎる」


『エース、デュース…』



怯んでしまった私の前に立って代弁してくれる友人の背中を見つめる


しかしそれも寮長の怒りに拍車をかけただけだったようだ



リド「ボクに口答えとは良い度胸がおありだね


いいかい


小さなルール違反が、大きな問題に繋がるんだ」


エ「他の奴らも、魔法封じられるのが怖くて言い出せないけどこんなのおかしいと思ってるだろ！？」



周りで静観していた寮生達にエースがそう声を掛けるも、リドル寮長の威圧に逆らえる者はいなかった


寮長に怯えながら全肯定する寮生…これしっかりパワハラじゃない



リド「ボクが寮長になって一年


ハーツラビュル寮からは一人の留年者・退学者も出していない


これは全寮内でハーツラビュルだけだ


この寮の中でボクが一番成績が優秀で、一番強い


だからボクが一番正しい！


口答えせず、ボクに従っていれば間違いないんだ！」


デュ「そんな…」


リド「ボクだってやりたくて首をはねてる訳じゃない


お前達がルールを破るからいけないんじゃないか


ボクに従えないのなら……まとめて首をはねてやる！」


ケ「皆ほら、「はい寮長」って言って」


デュ「……言えません」


『…私も』


エ「こんな我儘な暴君、こっちから願い下げだ！」



エースの最後の言葉で寮長の声色が変わった

58→←56

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す