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─ 勇太side ─
日誌を書きおわり、
教室にはもう誰もいないので消灯した。
あとは職員室から教室の鍵を借りて施錠するだけだ。
俺は職員室に向かった。
ちょうど担任がいたので日誌を渡し、鍵を手に入れた。
早く帰りたい一心で、少し急ぎ足で教室まで歩く。
教室が見えてきた頃、
さっき消したはずの電気がついていることに気がついた。
誰かいんのか?
.
__ガラガラ..
俺は静かに教室のドアをあけた。
?「神宮寺くん..」
そこにいたのは
佐藤だった。
『佐藤.. まだ残ってたのか?
忘れ物か?』
A「いや..」
やっぱり、まだ元気ねぇな。
その理由はもちろん知ってる。
全部知ってしまったんだ。
あのクソ彼氏に聞かされて..
けれど俺はそのことについて一切触れずにいた。
『あ.. もう教室閉めるぞ!
暗くならないうちに帰れよな。』
俺は佐藤にそれだけ言い残し、教室を出ようとした。
.
A「───────たの..?」
なにか、ボソッと呟いた佐藤の声に
俺は反射的に足を止め、後ろを振り返った。
『なんか言ったか?』
佐藤は再び口をひらいた。
A「どうして本当のこと言わなかったの..?」
『本当のこと..?』
A「図書室で顕嵐くんを殴ったとき。
本当は顕嵐くんの本性を知って、それで私のために..
そうなんでしょ..?」
たぶん、柊が話したんだろう。
けれど俺は、佐藤の質問に答えることなくただ黙っていた。
A「小学生の時、神宮寺くんにひどいことされて
すごく悲しかった。
二度と会いたくないって思ってた。
神宮寺くんが転校してきたときも、最悪だって思った。」
『·········』
A「でも、間違ってたのは私のほうだった..。
神宮寺くん、なにかに悩まされてたんだよね。
でも、誰にも言えなかったんでしょ..?
毎日が不安で、どうしようもなかったんだよね。
神宮寺くんは、本当はすごく優しい人なんだって
わかってたのに..っ」
その時、あの頃の記憶が再び
頭の中を駆け巡った。
.
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の ん ぴ 。(プロフ) - 1.2と読んでてほんとにこの話すきです!!続きまってます!! あと、名字を設定するのがなくて、お話で(人1)ってなってます 語彙力なくてすいません。 (2017年11月29日 1時) (レス) id: 2a0ed9631f (このIDを非表示/違反報告)
スパドラ×Y.N - 素晴らしいお話だと思います!応援しています!早く続きが読みたいです。 (2017年10月30日 22時) (レス) id: 834e70f408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せりな | 作成日時:2017年10月19日 1時