天使病の少年

4話 ページ7

下校時間＿＿＿


彩人「よお、レオ。なんかちょっと嬉しそうな顔してるな」


ーよく分かったな


彩人「なんかいいことでもあったか？」


ーまあ、ざっくりいうと2つだな。一つは、先週まで完全に俺のことを無視してた輩が急に喋りかけてくれるようになったこと。



彩人「ほう、そりゃよかったじゃん。で、もう一つの方は？」



ーもう一つは、俺のこの羽の正体が分かったかもしれないこと。



彩人「マジで！？」



ーああ、でもあくまで『かもしれない』だからな。もしかしたら違うかもな



余談だが、俺は根っからのネガティブ思考だ。


このネガティブ思考もその「天使病」とかいうやつのせいなのだろうか


天使病が治ることで、ネガティブ思考も解消されるだろうか。



もしそうならとてもありがたいのだが。



彩人「で…その正体ってなんなんだ？」



ー…「天使病」っていう奇病。



彩人「…聞いたこともない病気だな。名前からなんとなく症状は想像できるけど」




ーああ、まず1つは『背中に天使のような翼が生える』。これはイメージ通りだよな



彩人「まず１つってことは、まだあるんだな。」



ー2つ目は、うつ病のような症状が出る。



彩人「あーなるほど。確かにレオは鬱っぽいわ」



ー症状はそのくらいかな



彩人「なんか聞きにくいんだけど…余命は？」



ー俺の場合ほっといたらあと15、16年くらいかな



彩人「あ、意外と長いんだなw」



ー笑い事じゃねえよw


やっぱり彩人との会話が誰よりも一番楽しいし、気を遣わなくていいから楽だ。


もちろん他のやつを全く信用していないわけではないが。


昔から仲良くしてくれてるのはお前だけだもんな、彩人。



彩人「なあ、俺今日塾休みだし親いないからさ、レオの家遊びに行っていいか？」



ー急だなwまあ、いいぜ

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